編集部だより Vol.19【展示レポート】木村黙尊先生・白井由美先生 – 日々の暮らしの視点 –
力士などを題材にした日本画を描く木村黙尊先生と、同じく日本画で動物や植物を端麗に表現する白井由美先生の二人展「日日」が、東京墨田区にあるギャラリーアビアントにて開催されました。
木村先生が今回展示されていたの力士ではなく、先生のもうひとつの表現である墨絵の作品たち。画面いっぱいに描かれた銀杏の木は、見る側に躍動感を持って迫ってくるようでした。
「写真をもとに描くとパーツが細くなりがちなので、これは神社にある銀杏を現地でスケッチして、それをもとに大きく描いています。力士もそうですが大きくてたくましいものが好きなので、この木もそんなイメージはありますね」
他にも散歩のときに見た空を墨の顔料で表現した淡い質感の作品も、モノトーンならではの奥深さを感じることができました。
白井先生も展示タイトルのとおり“日々の生活”のなかにあるモチーフを描かれていまいた。今年のいんすぴ展の作品にも登場した二匹の飼い猫に加えて、蝶々の作品は背景の奥行き感が印象的でした。
「絹の裏に箔を貼ってその上に着彩することで、光のなかで蝶々が飛んでいるような様子を表現しました」
牡丹を描いたという作品は花びらの透け感や重なりが巧みに表現されていて、目を惹きます。
「透き通るような花びらの色味を表現しようと思っていました。白一色では重なったとき色味を表せないので、いろんな色を少しずつ混ぜながら、花を見たときの印象に近づけていきました」
他にも猫が夜空を見上げる空想的な作品もあり、日々の生活で見る何気ないモチーフであっても、アーティストの視点や意図が入った絵になることで、こんなにもいろんな楽しみ方ができるようになるという、絵画の根本的な面白さを感じさせてもらえた展示でした。最後に“日日”というタイトルにも込めた白井先生の言葉を紹介します。
「日々の生活のなかで生かされているという気持ちを大切にしながら、絵を描いていけたらいいなと思っています」
「木村黙尊・白井由美 – 日日 -」
会期:2026年5月24日(日)~5月30日(日)
会場:ギャラリーアビアント
【Information】
※今年のいんすぴ展 Vol.7にてオーディエンス賞・金賞の受賞作品から着想した、木村先生の個展が開催中です!
「木村黙尊展 – まぼろば –」
会期:7月5日(日)まで
会場:柴田悦子画廊
文・写真:これやん編集部(2026年5日30日)