アンダー ヨコハマ
作品概要
- 制作年
- 2025年
- 素材
- 岩絵具、水干絵具、雲肌麻紙
- サイズ
- 455mm(幅)×530mm(高さ)※F10
- 特筆事項
- 額装無し
これやんの作品コメント
STORY
これやん:絵を描き始めたのはいつ頃でしたか?
後藤:幼い頃からいろんなものを描いていました。高校生になるとまわりの友達が美大に行くと言いはじめたので私もそれに感化されて、美大予備校に通ううちにデッサンが面白くなりました。小学1年生の頃から書道を習っていて、余白を見る力があったので写実は得意でした。それもあり、写実的な試験がある日本画科のある美大を受けました。
これやん:美大では自身の画風をどう模索しましたか?
後藤:私は色彩感覚的な部分を評価してもらうことが多かったので、そこを得意分野にしようと試行錯誤をしました。最初は絵具を重ねることで、塗った色の反対色にしながら深みを出していましたが、派手な色で下地を塗っているときに先生が“今のままのほうが良いね”と言われたのが、現在の画風に辿り付くきっかけになりました。
これやん:背景に明るい色を使っているのですね。
後藤:その背景色をそのまま残すこともあります。たまたま置いた色が何か良い感じだったという“ライトな感覚”があるほうが、作品が魅力的に見えることがあるんです。描く計画は立ててもその通りには進めずに、色を塗ったときの感覚に自分が反応して描く……という反復のプロセスを大事にしています。写実から離れることで見えたのは、受け取る側の感覚によって、物(作品)の見え方は変わるというリアルさでした。私は本を読むのが好きで、本の世界を絵を描きながら考えたりもします。ユクスキュルの“環世界”という概念(生物それぞれが独自の時間・空間を知覚して構築した世界のこと)を知り、私が見る世界を描くとはこういうことだと思いました。
これやん:日本画科を卒業したのちデザイン科に編入していますが、そこで得たものは何でしたか?
後藤:デザイン科には現代アート的で洗練された表現をする人が多く、そういった創作を見るうちに、自分の表現をモダン・アートの文脈に乗せることは難しいと思いました。私自身の感覚はもっと庶民的でしたから、そんな私がアートでできることは何なのか、改めて自分のルーツを考えるようになりました。
これやん:その時期を経て、表現しようと思ったものは何でしたか?
後藤:世の中には私のような一般的な感覚を持った人のほうが多いはずなので、そんな私のような人間が感覚を開き、いろんなものを見て制作をすることで、世界はもっと面白く見えてくると思っています。私は自分の身の回りにあるものの印象を美しく、面白く描きたいと考えています。ちょっとしたひらめきで普段の世界の見え方が変わる。それが美術の魅力でもあるので、そういうことを発信していきたいと思っています。







