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編む

東條明子Akiko Tojo

作品概要

制作年
2020年
使用素材
檜に彩色
サイズ
130mm(幅)×180mm(高さ)×70mm(奥行き)
特筆事項
台湾在住のお客様はギャラリー(Neptune Gallery)にご連絡ください。

これやんの作品コメント

ヒノキを用いて繊細な彫刻作品を作り上げる芸術家、東條明子さんがこれやんに初登場! こちらはこれやんのために制作していたただいた最新作で「編む」を表現しています。少女が生きていくなかでいろんな経験や体験を編み込み、髪形から足の組み方まで全身で“編む”を表現しています。あどけなさが顔の表情、滑らかな曲線、繊細な色彩と、まるで絵画が立体化したようにも感じる個性的な作品です。壁に直接掛けられる飾りやすさも、この作品のポイントですね。
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STORY

倉本:彫刻に興味をもったきっかけは何でしたか?

東條:絵が好きで美術予備校に通うようになり、3年生で専攻が分かれるタイミングで環境彫刻の作品をいろいろと見る機会があり、そのときに彫刻の迫力や凄まじいエネルギーに圧倒されて、“彫刻をやろう”と思ったのがはじまりです。

倉本:素材に木を選んだ理由は?

東條:大学でいろんな素材を試したときに、木は暖かい感じとか生きている感じがして、人体を作ったときに一番しっくりきた素材でした。あとは重すぎず、自分ひとりで扱えるのもこの素材を選んだ大きな理由です。

倉本:今は小さめのサイズで繊細な作風ですが、そうなったのは経緯はどういったものでしたか?

東條:彫刻というのはほぼスポーツで、特に大きい作品は全身を使わないと作れません。在学中は大きな作品を作っていましたが、卒業すると作業場の兼ね合いもあって大きな作品は作りづらくなったので、環境の変化も作風に影響しています。でも、大きくても小さくても彫刻を作る労力はあまり変わりません。作風は、昔は内臓のようなドロドロしたものを表現していましたが、自分の内面を表現する方向へ移行したときに、女の子の身体を使ったほうが良いと思い、今の作風の感じになっていきました。

倉本:内臓から内面へと変化したのですね。東條さんは作品を通して感情を表現していますが、作品のアイディアはどんなところから来ているのですか?

東條:自分の経験がもとになっていますが、“次の作品はどうしようか”と常に考えていて、このポーズが面白いなとか、あのときにこんなことを思ったとか、それらを組み合わせながら、作品のイメージを決めていきます。私は子供がいますが、子供を見ると自分の昔の記憶が思い起こさせられるんです……例えば、おしりを拭かれたときの感覚から自分の成長の記憶を思い出したり、それに目の前の子供が仕草もしてくれる。それもあって、最近は自然と子供をモチーフにした作品も増えました。

倉本:絵画が立体化したような独特の作風ですが、制作はどんな風にして進めていくのですか?

東條:デッサンを描いて、それから木に輪郭を取り、じっくりと時間をかけながら自分が思い描く輪郭にしていきます。私は彫りながら塗っていくのですが、そうしないとカタチが見えてこないというか。よく“薄皮一枚まで彫る”といいますが、その感覚は塗りながらでないと私には見えてこないんです。この作品に関しては塗りムラがあったりもしますが、それも私の味かなと思っています。