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救世船乗り観音

彩蘭弥Alaya

作品概要

制作年
2021年
素材
和紙に岩絵具、金箔
サイズ
410mm(幅)×410mm(高さ)×30mm(奥行き)
販売価格¥99,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

日本画材の質感と動物や仏教的なモチーフを組み合わせ、華やかなスタイルの画を描くアーティスト、彩蘭弥さん。こちらは平等院の「救世船乗り観音」をモチーフにした一枚。金箔での細やかな表現はインドの伝統工芸であるブロックプリントを用いているとのこと。人生を旅にたとえ、難なく乗り越えられるようにという願いを込めて描かれています。
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STORY

倉本:華やかな作風ですが、そもそも絵を描くようになったのはどんなきっかけでしたか?

彩蘭弥:幼少期は両親の仕事の関係でフランスに住んでいました。アジア人で引っ込み思案だったこともあって幼稚園でいじめに遭いまして、毎朝“行きたくない”と泣き叫んでいました。でも、そこで先生に模造紙と絵の具セットをもらったことをきっかけに、のめり込むように毎日、すべての色を使って点や線を描くようになりました。するとお国柄なのか“この人はアーティストだ”と、周囲の大人から一目置かれるようになり、自分の位置を確立することができました。だから3歳のときに“私は画家になる”と両親に宣言し、その日以来、ずっと毎日画を描いています。

倉本:最初は点描、線描から始まって、モチーフはどのように変化していったんですか?

彩蘭弥:高校生の頃にひとり旅にはまって、旅先でスケッチしたものからインスピレーションを受けて描くことが多かったです。シルクロードを馬で巡ったり、インドの村にひとりで滞在したり……アジアが多いですね。仏教やアニミズム的な祈りに興味がありました。

倉本:仏教的なモチーフが多いですが、そのきっかけは何でしたか?

彩蘭弥:大学生の頃、比叡山の宿坊に泊まりに行ったのがきっかけでした。それまで仏教美術には茶色っぽいススけたイメージがありましたが、そこで初めて密教美術に触れて、立体曼荼羅のカラフルな色彩空間に衝撃を受けました。それ以来、仏教美術を求める旅をするようになり、大学を卒業してネパールに行きまして、仏画師を探して三ヶ月間弟子入りして、曼荼羅の勉強をさせてもらいました。そのときの心持ちや、色味が私の画風のベースになっています。 彼らにとっては描く行為そのものが祈りであり、絵の具をおくだけではなく、一筆一筆祈るように描きなさい、という心持ちを教えていただきました。それが、いちばん大きな学びでした。

倉本;画材は主に日本画材ですか。

彩蘭弥:そうですね。高校が美術の専門学校で、そのときに日本画を選択しました。和紙に岩絵具とか箔が多いです。他にも本の挿絵や壁画とかはアクリルや水彩絵の具を使ったり、これからはもっといろいろな画材に挑戦したいなと思っています。

倉本;作品を見て、感じてほしいことは?

彩蘭弥:作品が生きる活力になってもらえたら嬉しいですね。画を描くときは私も念を込めて描いていますし、見るほどに鑑賞される方の念もこもってくるので、プラスの気の循環スイッチのようになってくれたらいいなと思っています。