涙吹き
作品概要
- 制作年
- 2022年
- 素材
- アクリル、ウッドパネル
- サイズ
- 500mm(幅)×720mm(高さ)
これやんの作品コメント
STORY
倉本:アレッサンドロさんはイタリア出身ですが、日本に来た理由は何でしたか?
アレッサンドロ:7歳の頃に祖父の本棚にあった日本の写真集を見たのがきっかけでした。1970年代の日本のいろんな場所が撮影された写真を見て、“なんて素敵な国なんだ”と思いました。子供ながらに日本のことを調べはじめて、16歳から日本語を勉強を始めました。
倉本:画はイタリアにいる頃から、描いていたのですか?
アレッサンドロ:はい、子供の頃からずっと絵が好きで描いていました。でも、本格的に絵描きとしてやっていこうと思ったのは、はじめて日本に来てからです。日本が好きなのと、絵を描きたい思いが重なり、絵描きとしての活動を始めました。今はイラストレーターの活動と並行して、アーティスト活動もしています。
倉本:独特のタッチはどうやって培ったのですか?
アレッサンドロ:描き続けるうちに、線をグルっと丸く描くクセがあることに気がつきました。最初のうちはそれが何だか変だなと感じながらも、もう少しちゃんとカタチにしようと思って、膝の関節を丸く描くようになりました。このスタイルはわりと最近にできたものですが、イラストの仕事でもこの描き方が求められることが増えてきました。
倉本:プライベートで描く作品とイラストの仕事では、どんな違いがありますか?
アレッサンドロ:イラストはクライアントの要望を聞き、そこに自分のフィルターを通して表現します。プライベートな作品は自分のなかでテーマを設定して、毎日を過ごしていきます。そうするといろんな瞬間にインスピレーションを受け、それをどの色を使って表現していくかを考えながら作っていきます。
倉本:色で見せるという意識が強いのですね。
アレッサンドロ:そうですね。線やタッチも大事ですが、やっぱりビジュアルなので、色でどうやって見せるかというのは大事にしています。絵の具はアクリルを使っていますが、単色でスタートして、カラフルな色彩感を出していくというのは、僕のなかで大事な意識のひとつです。イラストレーターでもあるので、世間に伝わる分かりやすい画であることを意識ながらも、自分の作品ではそこにどうやって深みを持たせるかを考えながら制作しています。