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鈴木杏An Suzuki

作品概要

制作年
2019年
使用素材
画用紙、シャーペン、アクリル絵の具
サイズ
297mm(幅)×420mm(高さ)
特筆事項
作品は額装されています
販売価格¥200,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

3年前から絵を描き始めたという鈴木杏ちゃん。個性的であることかどうかが、アートにとって大事なことである。ということに気付かせてくれる作品です。杏ちゃんがいろんな人と出会いながら、自然に身を任せて描いたこの画はとてもエネルギッシュで、見ていると元気がもらえます!
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STORY

倉本:杏ちゃんにこんな才能があるとは知らなかったわ。

鈴木:ありがとうございます。中学生の頃から絵を描くのが好きでしたが、ちゃんと描いてはいませんでした。私、ずっと“ほぼ日手帳”を使っていて、後ろの方に1日1ページのコーナーがあるのですが、「日記だと続かないからなぁ、あ、絵だったら続くかも」と2016年の元旦に思いついて、一年間続けるのを目標に一日一枚描き始めたんです。それで、やっぱり絵を描くのが楽しいと思うようになり、そのうち舞台のスタッフTシャツを描かせてもらったり、2018年にはクラウドファンディングでイラストをまとめた書籍を作らせてもらいました。本当に技術も画材の知識もゼロの状態でしたが、描くうちにいろんな人が教えてくれて。ペンやシャーペンで描いてたものが、アクリル絵の具を使ってみようとなったり……いまだに、そこ止まりで。今日こんな感じで持ってきちゃったのも、額装屋さんを知らないからです。

倉本:今回、僕のほうから“お題”を出させてもらいました。お題は“雲”。ブログで杏ちゃんの絵を見ていて、なんか杏ちゃんが描く“雲”が見てみたいなと思いました。そうしたら……すごく細密な感じになったんやね。

鈴木:描くときはどこか写経的なところがあって(笑)。去年龍の形をした雲をたくさん見て、それを描きたいと思ってました。でも、龍の形になりすぎると雲の感じがなくなるから、あえて利き手じゃないほうで大枠を描いてみて、細かいところは利き手の方で描きました。とにかく技術がないから描きたいとイメージしたものが、確実にその通りにならないって言う(笑)。でも、落ち込まずにそれを楽しみながら、ひたすらに描くことで乗り切っています。あとで塗る段階になって、自分のクビを絞めることになるんですけど(笑)。

倉本:自分の首を絞める感じがまた面白いよね(笑)。

鈴木:どんどん、描きたくなっちゃうんです。

倉本:技術云々じゃない、超越してる! めっちゃええやんか。

鈴木:お芝居をはじめたときとすごく似ているなって思っていて。あの時も自分がいいかどうかもよく分からないまま、でもそれを人が好きになってくれる状況があって(芝居を)続けることができて。それを違うアプローチで追体験しているような感じがあって。ただ、お芝居は毎日本番が繰り返されたり、映像も残るけど、絵は描き終わったら離れていくっていうか、どんどん過去のものになっていくのが面白いなと思っています。

倉本:それはアートが生んでしまったら自分のものではなく、欲しい人のものになるっていう、その感覚なんじゃないかな。

鈴木:そうかもしれないです。去年作品集を作ることになったときに、それまで自分のためだけに描いていたものを、人にお見せしていいんだろうかって気持ちがあったんです。それが分からないままに、探しながら描き続けていて。でもある日、出来上がった作品を見た友達から“杏ちゃんの絵は元気になるね”って言ってもらったことが、自分が絵を描くうえで大きな柱になると思えたんです。だから今日持ってきた作品も、見た人の気持ちがちょっとでも上がるものを目指して描いてみました。