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安岡亜蘭Aran Yasuoka

作品概要

制作年
2020年
素材
アクリル絵具、雲母、雲肌麻紙
サイズ
140mm(幅)×180mm(高さ)
販売価格¥110,000(税込み)

これやんの作品コメント

日本画や浮世絵といった日本の伝統と未来に生きる動物をかけ合わせ、SFのような空想世界を表現する画家、安岡亜蘭さん。金魚は自由に描いても違和感が出ないようで、安岡さんにとって馴染み深いモチーフです。この作品は“尾びれのカタチで遊んだ”とのことで、尾びれは上部の金色の対となるようなカタチに変化しています。浮世絵的なウロコ部分の表現も印象的です。
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STORY

倉本:安岡さんの作品には浮世絵と未来が合わさったような不思議な世界観がありますが、そういった作風を生み出した経緯はどういったものでしたか?

安岡:きっかけは学生時代に、秋の藝祭で同級生と一緒にやったグループ展でした。テーマを決めるときに、一緒に参加する人に“タイムマシンがいいんじゃない?”と提案されたんです。まったく想像ができずに悩んでいたときに、国立博物館の「国宝 平等院展」で雲中供養菩薩像を見たんです。普段は平等院の壁面に設置されていますが、そのときはガラスケースに入れられ、360°見られるようになっていました。表側は仏像ですが裏側には壁に取り付けるための金具があったり、たぶん飾っている場所と思われる方角と数字が書いてあり……それを見たときに、昔のものなのにまるでロボットのようですごく面白いと思ったんです。それで先ほどのタイムマシンというテーマを考えたときに、雲中供養菩薩像のように過去と未来の両方を表現したら、面白い作品が作れるんじゃないかなと思って描き始めたのが、今の作風のきっかけです。

倉本:ちなみに藝大ではどの学科に?

安岡:デザイン科です。グラフィックデザインよりもイラストレーションをやりたかったので、絵画科よりもデザイン科のほうが自分のやりたいことが学べるのかなと。卒業後はイラストの仕事もやらせてもらいましたが、同じ大学の金丸悠児さんと一緒にグループ展に参加するうちに、画商さんから声をかけていただくようになり……有り難い話ですが、そこから絵画のほうへと進んでいきました。

倉本:グループ展のテーマをきっかけに、イラストから絵画の世界へと導かれていったのですね。安岡さんの作品は基本的に動物のモチーフで、そこにロボットのテイストが織り混ざっています。

安岡:私は日本画や浮世絵のなかでも花鳥画が好きで、このテーマで描くときも動物や植物がいいなと思っていました。動植物が持つ綺麗さを残しつつも、メカになりすぎないように意識してバランスを探っていたら、自然と今のような感じになりました。私が今の作品を描き始めた頃、AIBOが発売されたのですが、あそこまで機械っぽいと自分がやりたいこととは違うなと、当時は思いましたね。

倉本:色彩の部分ではデザイナー的な視点を感じます。

安岡:動物と背景はイメージに合わせたり、そうでなかったりしますが、色は最初からどんな感じにしようかと考えていますね。あくまで主役は動物なんですけど、その色と合いやすい植物などを選ぶこともあります。

倉本:雲中供養菩薩像から発見した安岡さんのタイムマシンのコンセプトは、ご自身の人生を変えたわけですね。

安岡:私もこんなに長く、このテーマの作品を描き続けることになるとは思ってもいませんでした(笑)。作品をご覧いただく方には、描かれている場所が日本なのか異国なのか、未来なのか過去なのか……場所や時間を旅するように楽しんでいただけたらと思います。