展示レポート-Vol.2 – 昆虫標本のような飛行機たち –
戦時中の新聞記事を用いて兵器や軍艦、飛行機などの立体作品を制作する足立篤志先生。“標本シリーズ”をコンセプトにした展示「Over to You」が六本木のHideharu Fukasaku Gallery & Museumにて開催されました。
このシリーズは標本箱のなかに歴史・記憶を保管するコンセプトを持っています。「博物館の昆虫標本の展示みたいに、たくさん陳列したかった」という足立先生、その言葉のとおりに、ギャラリーの壁に多くの標本作品が飾られていました。もともと戦闘機と蛾の造形が似ていると思ったことから生まれたシリーズですが、新聞紙というモノクロな色合いもあって確かに蛾に見えます。
飾られている作品を見ると“これも戦闘機なの?”という、ユニークなフォルムの飛行機もありました。足立先生曰く「実用機だけでなく試作機段階のものもあります」とのこと。どの作品も翼部分に大きめの印字があり、飛行機が造られた国の新聞が使われています。その内容にユーモアがあったり、少しシリアスだったりと、デザイン的であったりと、入った文字によって造形の捉え方が変わるのも面白く感じました。
足立先生のこれやん取り扱い作品はコチラより
「Over to You」
会場:Hideharu Fukasaku Gallery & Museum
会期:2024年11月16日(土)~11月30日(土)
文:これやん編集部(取材日:2024年11月16日)