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編集部だより Vol.12【展示レポート】大塚健先生 – 日用品に向ける視点の進化-

日用品をテーマにしたユニークな着眼点で画面表現を行うアーティスト、大塚健先生の個展、自由研究「採集と実験」の模様をお届けします。

大塚先生はインディペンデントトーキョー2024で審査員特別賞を受賞。同イベントの審査員、神谷敬一氏が経営する代官山のMONKEY GALLERYにて、個展「自由研究 -採集と実験ー 」を開催しました。

大塚先生は“置かれたままになった日用品”に着目して作品を通して表現しています。(過去から現在への作品の変遷はコチラをご覧ください)。「雑草を飾る」は建築現場に放置された工具を雑草と捉えて、写真をコラージュして制作されています。ペインティングした背景にスマホで撮影されたリアルな植物や工具という、いろんな質感が絡み合うことで、ユニークな視覚体験をもたらしてくれます。

「コラージュはそれぞれのリアルなサイズ感から大きくは違わないように意識しています。あえてドラマを持たせないように”その場にただあったもの”を表現をしています」

「生活を重ねる」は日用品の質感を絵具で描写したキャンバスを切り取り、コラージュして構成しています。その理由を大塚先生は”質感を抑えるためと、少し抽象的に表現するため”と説明する作品たち、「雑草を飾る」とはまた異なったリアリティを感じられます。

新しいシリーズでもある「採集」は“空間を意識するよりも標本に近いイメージで制作しています”と言う大塚先生。日用品を単体として絵具で表現しつつ、背景の構成にもこだわることでモチーフの存在感を表現していました。

日用品をモチーフした大塚先生の視点が、今後はどのように変化していくのかが楽しみになるような充実した展示でした。

自由研究「採集と実験」
会期:2025年6月28日~7月6日
会場:MONKEY GALLERY

 

大塚先生のこれやん取り扱い作品はコチラ

文・写真:これやん編集部(2025年7月5日)

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