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編集部だより Vol.15【展示レポート】藤田朋一先生 – 日本・西洋の文化の融合 –

神社仏閣といった日本建築をモチーフに、木材やアクリルを用いて現代アートに昇華させるアーティスト、藤田朋一先生の個展が東京と大阪にて2025年秋に開催されました。ここでは東京の個展の模様をお届けします。

 まず会場を訪れて目に入ったのが、透明アクリル板で表現されたF1のエンジンに神社仏閣を掛け合せた大きな作品「1989」でした。

「今回の個展でまず作りたいと思ったのがこのエンジンの作品です。1989年のマクラーレン・ホンダのF1マシンに積まれたV10をモチーフにしていて、当時中学生だった僕にとって、このマシンのエンジン音には衝撃を受けました。そこに合わせたのは下関市にある長門国一宮 住吉神社です。5つの社殿を流造の屋根がつないでいて、その造形がこのホンダのエンジン・ブロックから連想しました」

 F1という西洋生まれのモータースポーツと日本の自動車産業、そして日本古来の神社仏閣と、西洋と日本の歴史・文化の融合はこの個展のタイトルにも由来します。

「西洋から見た日本という意味を込めて“JAPANESQUE”という個展タイトルにしました」

 神社仏閣の造形とグラフィティのように描かれた英語を組み合せた個展テーマを連想させる作品「神社 -Japanesque-」も展示されていました。

「西洋と日本、両者のモチーフを溶け込ますのではなく、この作品だとグラフィティを看板のように付けることで、面白みを出せたかなと思います」

 写真家・古賀勇人氏とのコラボレーション作品をはじめ、五重塔として表現された「凌雲閣」では上層ほど面積が増える個性的なデザインになっていたりと、いずれもアクリルという素材を生かしたビビッドな色彩で構築され、見応えのある作品が多く展示されていました。ちなみに「神社 -Japanesque-」の着想元になった作品を、これやんの藤田先生の特集ページにて、掲載・販売をしております。こちらも合わせてぜひご覧ください。

「JAPANESQUE」
会期:東京:2025年9月24日~10月13日、大阪:2025年10月29日~11月10日
会場:東京日本橋高島屋美術画廊X、高島屋大阪ギャラリーNEXT

 

藤田先生のこれやん取り扱い作品はコチラ

 

文・写真:これやん編集部(2025年10月5日)

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