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千原ジュニア×倉本美津留~「アーホ!」がつないだ芸術の魅力

芸術に関するトークをお届けするこの記事、今回のゲストはお笑いの世界でも倉本と長年付き合いがあるお笑い芸人の千原ジュニアさん。倉本が手掛けていたアートの番組「アーホ!」にて司会を務めていた千原さんは、この番組を経て、自身でもアートの作品を所有するようになったという。そんな千原さんに、改めてアートの面白さや作品を観る視点などについて、語ってもらいました。

発想と技術の割合は“5対5”がいいんだなと思うようにもなったーー千原

倉本:ジュニアは「アーホ!」の立ち上げの時から番組のMCをお願いしていました。その理由はジュニアがやっているお笑いがクリエイティブで、“そんな切り口で考えるのか”っていう感覚がアートに近いと思っていたからなんだけど、ジュニアは「アーホ!」に関わる前と後で、アートへの興味は変わったりした?

千原:そうですね、世の中には面白い人がたくさんいるなって思った一方で、発想と技術の割合は“5対5”がいいんだと思うようにもなりました。やっぱりそのどちらも持ってないとダメだというのは、アートの面白さですね。「アーホ!」に登場したアーティストさんだと入江沙耶さん……あの、一升瓶に描かれているラベルを消しゴムで消して、その消したカスで作った作品があって。あの作品を見た時に、これは5対5でバランスがいいと思いました。まず発想が面白くて、造形の腕もあって、説得力がありましたね。

作った物が人に感動を与える意味では、アートとお笑いは近いものがあるーー倉本

倉本:確かにそれをバランス良く、バシッと見せられると感動するよね。作品を見る前と見た後ではこちらの感覚もまったく変わるし、アーティスト本人としゃべるともっと面白い。作品に対して“そんなことを考えているんや!”と。芸人とは違うけど、作った物が人に感動を与える意味では、アートとお笑いは近いものがあると思っています。

千原:そうですね。みんないびつなところがありますよね。僕の家は親が設計士で描くことを仕事にしていたから、相通じるところがあると思います。小さい時におとんの車に乗ると、建物を見ながら走るから、めちゃくちゃスピードが遅いんですよ。子供ながらにおとんの車乗るの嫌やわ、と思いつつも。今となれば、それも分からんでもないなと。おとんにとって、あれはネタ探しだったんです。

倉本:いろんな造形とかを設計士というプロの目で見て、ということだもんね。ということは、物作りの遺伝子がジュニアの中にもあるのかも。「アーホ!」でも小野川直樹君の作品を買ったりしていたし、アート作品を買うって、面白い行為だよね。

千原:ええ、小野川さんにとっても僕が初めてのお客さんで、僕もアート作品を買ったのはあれが初めてでした。一人目のお客になれるってなかなかないことですよね。たまたま僕の妹が体を壊して入院していた時に彼の作品を見て、折鶴の作品が2つあったんです。ひとつは600羽で、もう片方は400羽……それを聞いて“2つで千羽鶴やん!”って。なので2つとも購入しました。

倉本:アートの作品をいろいろと見てきたなかで、自分なりに作品を観る目が変わってきたことはあった?

ユーモアというか面白みが、作品のチャーミングさになるーー千原

千原:ユーモアというか面白みが、作品のチャーミングさになるんやろうなと、考えるようになりました。僕はただ上手いとか、ただキレイな作品には心を揺さぶられないですから。

倉本:やっぱりアートは発想があってのものだから。お笑いもすべてではないけど、アートの範疇の中にある面白いことをやっている芸人もいるからね。

千原:そうですね。今はその人のレントゲンを見ているような感じですかね。まあ、僕がレントゲンを見ても何のこっちゃ分かりませんけど(笑)。ありとあらゆる表現があるなかで、表現の仕方にアーティストの個性が見えてくる気がします。

倉本:ジュニアは家にアートを飾っているけど、飾ることで何か変化はあったりするかな?

千原:作品を飾ってから時間が経つと、段々とそれが当たり前になってきますが、ふとした時に何かを感じることはありますね。たぶん、その日の自分のコンディションによって見え方が違うだろうし、作品をよく見たら新しい発見があったりもして。作品って作った人のエネルギーが存在しているから、作品を飾るとしたら持っているエネルギーがポジティブなものが良いですね。

倉本:家にアートがある環境は、子どもにとってどんな影響があると思う?

千原:僕としては、子供は好き勝手にやってもらったらいいと思っています。ただ、この間、子供がばあちゃんにアンパンマンのぬいぐるみをもらってきて“そんなベタなもんを持たすなよ”って気持ちにはなりました。もうちょっとオリジナリティを出して、せめて食パンマンとかにしとけよ、と(笑)。

倉本:でも、小さい時に当たり前に置いてあったアートが、物心がついた時に“あ!”となったら面白いよな(笑)。そうしたらジュニアのお父さんの建築の話に通じるね。

千原ジュニア

1989年に実兄の千原せいじとお笑いコンビ、千原兄弟を結成。1994年に「第15回ABCお笑い新人グランプリ」優秀新人賞、「第29回上方漫才大賞」新人賞を受賞。以降は人気芸人としてテレビのバラエティ番組を中心に活動を展開。レギュラー番組に「にけつッ!!」(読売テレビ)などがあるほか、俳優として映画「ポルノスター」やテレビドラマ「トレース~科捜研の男~」などに出演するなど、多方面で活躍している。

https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=19

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