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Avater#17

金親敦Atsushi Kaneoya

作品概要

制作年
2020年
素材
綿、アクリル、ナイロン、ウール
サイズ
680mm(幅)×440mm(高さ)×80mm(奥行き)
特筆事項
中に針金が入っています。曲げたり延ばしたりを繰り返すと中の針金が金属疲労で折れてしまう可能性があります。また、足の先から針金の先端が出る可能性があるのでご注意ください。
販売価格¥132,000(税込み)
販売応募期間:2024年11月22日〜12月22日まで

これやんの作品コメント

編み物で不思議な立体作品を作り出すアーティストの金親敦先生、初出品作品をご紹介します。こちらはアントニー・ゴームリーの彫刻から着想した作品。金親さん独特のマスクの造形やあざやかな配色、可愛らしいフォルムが特徴で、ピンクで手を表現しているのもポイントです。作品を見る人が元気になるようなポップなアート作品です。
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STORY

これやん:金親さんが編み物をはじめたきっかけは何でしたか?

金親:中学校2年生のときに、お付き合いをしていた女性を驚かせたいと思ってマフラーを編んだのがはじまりでした。母親が毎年秋になると編み物をしていて道具や材料が家にありました。やってみたら意外と向いていると思い、毎年秋にマフラーを編むようになりました。コツコツと同じことを続けるのに没頭できたんです。

これやん:手先が器用だったんですね。

金親:幼稚園の頃から絵を描いたり、紙粘土の工作も得意でした。でも高校まではバスケットボールに夢中でした。高校3年生で進路を考えたら美術の授業が好きだから美大がいいと思い、親に相談して美術の予備校に通いはじめました。予備校で“物づくりが好きです”と言ったら“目指すのは工芸系だね”と言われて工芸科を目指しました。

これやん:工芸科から編み物へと行き着いたのはどんな経緯でしたか?

金親:在学中は木工で作品を作っていてそこに編み物を混ぜたんです。そうしたら先生に“これなら編み物だけで成立させたほうが面白い”と言われ、確かにそうだと思いました。それと、大学の頃には季節に関係なく編み物をしていて、ガマ口の財布を作ったらそれが自立し、そこで編み物で立体が作れることに気がつき、立体の作品を編みはじめました。それもあって大学の卒業制作は、編み物で自身の抜け殻を制作しました。

これやん:テーマを抜け殻にしたのはどうしてですか?

金親:学校で編み物のタンブラーを作ったときに先生から“技術としては素晴らしいけど、ここに君の思いは何かあるのかな?”と言われて、答えられなかったんです。その頃の自分にとって一番強かったのは実家の愛犬が亡くなり、その悲しみから抜け出して前を向きたいという思いでした。なので、それをテーマに麻紐で自分の抜け殻を作りました。ただ、その作品の見た目が怖すぎて、作品を見た子供が泣く姿を見たときに本意ではないと思いました。その反動もあって今のポップな色合いになっています。

これやん:モチーフの造形も面白いですが、どのように今の作風になったのでしょうか。

金親:東京都庭園美術館の「マスク展」をきっかけに民族仮面のようなものを編みました。そこでアニミズムという思想を知り、見えないものの存在について考えて、編むようになりました。モチーフは自然物や人工物などさまざまです。散歩中にふと目に止まったものに見えない何かが宿っているとしたら、こんな形なのかなとイメージをしながら作っています。僕は人でない何かがパートナーになったら良いなと思っています。幼少期にポケモン、デジモン、たまごっちなどのゲームに触れて、人でない何かをパートナーとする関係性に憧れるようになりました。ですから、作品が所有してくれる人にとってのパートナーになったら嬉しいです。