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いぬ

池田千鶴Chiduru Ikeda

作品概要

制作年
2023年
素材
サイズ
102mm(幅)×145mm(高さ)×140mm(奥行き)
販売価格¥11,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

「二紀展」奨励賞の受賞経験を持つ現代美術家であり、現在は陶芸家として活動する池田さんの作品をご紹介します。もともと伝統工芸品の犬張子のフォルムから着想して制作されています。作品上部にある輪っかを犬の顔と見立てていますが、この部分の取り外しができ、花瓶にもなります。放射や爆発をイメージして、吹きつけによる着彩で表現されたビビッドな色合いに池田さんらしさを感じる作品です。
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STORY

これやん:もともとは彫刻をやっていたそうですが、陶芸へと転向した理由は何でしたか?

池田:大学で人体をデフォルメした彫刻を作っていたのですが、自分自身も伸び悩んでいて、迷いもあったので、幅を広げたいと思って陶芸をはじめました。やってみると陶芸は素材が強いというか……彫刻は自分が思ったカタチになりますが、陶芸はどう焼きあがるのかは自分ではどうしようもできないという。そこが面白いなと。もちろんベテランの方だとうまくいくでしょうし、まだ自分は勉強し始めの身ではあるのですが、そういった陶芸の偶然性に身をまかせてみたいと思ったのが陶芸をはじめた理由です。

これやん:陶芸では人体ではなく動物をモチーフにしていますね。この可愛らしい造形はどうやって生み出されたのですか?

池田:西洋っぽいリアリティがあるよりも、民芸品のように日本的な力強い線でデフォルメされたカタチに興味がありました。そういったちょっとゆるい感じの造形がおもしろいなと思ったのと、自分としては動物が作りやすかったっていうのがあります。最初に狛犬が作ってみたかったので、犬から着想をはじめました。それと「ブレーメンの音楽隊」みたいに動物が上に乗っかっているイメージがおもしろいかなと思い、積み上げてみました(笑)。

これやん:彫刻のときと制作する感覚はどう変わりましたか?

池田:彫刻で人体を作っていた時はひとつの塊として粘土で起こし石膏取りして“ひとつ塊”として作っていましたが、陶芸だと窯に入れるので、バラバラに作る必要性がありました。なので、バーツを組みわせるというところは彫刻にはない感覚だと思います。

これやん:民芸品のように動物をデフォルメする魅力をどこに感じていますか?

池田:デフォルメということで言うと、彫刻をやっていた時代は白い中に浮かぶイメージで色彩も抑えながら、人の造形をしっかりと出すためにとにかく細かく作ることに挑戦していました。でも、それを“もういいや”と思ったときの反動もあって、造形も大胆にデフォルメした感じでやっていこうと思ったんです。しばらく作家活動をしていなかった頃に好きになったのが民芸品だったので、まずは自分が好きなものからやっていこうと感じて、今に至っています。