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メッセージを見るバディ

COOL氏COOL-SHI

作品概要

制作年
2016年
素材
石粉粘土、アクリル塗装
サイズ
120mm(幅)×190mm(高さ)×130mm(奥行き)
販売価格¥110,000(税込み)

これやんの作品コメント

60歳から作家活動をスタートさせ、スタイリッシュなフォルムを持った人形作りでさまざまなフィールドで活躍するCOOL氏。黒人のモデルをイメージしたキャラクターで、「メッセージを見るバディ」はボクサーが、スマートフォンでメールを見ているワンシーンを捉えた作品。鍛え抜かれた身体の美しさに加えて、少しヴィンテージなテイストもありアンティークな雰囲気があるのも、この作品のみどころです。
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STORY

これやん:とてもフォルムがきれいでスタイリッシュな人形ですが、どんな素材を使っているのですか?

COOL氏:石粉粘土を彫刻刀で削り、アクリル系の塗料を塗っています。 “石粉粘土を彫刻刀で削る人なんていないよ”ってみんなに言われましたが、私はあまり難しく考えずに、“こうしたらええやん”みたいな感じでやっています。ただ、作るのには時間がかかりますね。一体作るのに3ヵ月くらい。乾燥にも時間がかかるので2体くらいを進行させながら、五月雨式にやってます(笑)。1年に12体くらいかな。私の基本にあるのはモダンデザインなんです。もともとプロダクト・デザイナーとして白物家電のデザインをしていて、会社を定年退職してから人形制作を始めました。

これやん:それを聞くと作品の完成度の高さに納得できます。

COOL氏:ただ、モダンデザインってやっぱり無名性なんですよね。物が前面に出てデザイナーが後ろっていう。でも、こういう作品を作るなら、個性を出さないとあかんじゃないですか? だからモダンデザインに加えて自分が好きなアンティークな処理をすることで、こういう作風になりました。

これやん:会社員時代は創作活動はやっていなかったのですか?

COOL氏:ええ、仕事一本でした(笑)。COOL氏の名前で始めたのは8年前で60歳になってからです。5年前から本格的に人形を作ろうと思ったのですが、人形といっても人と同じもの作ってもしゃあないし、何を作ろうかなあと考えていたんですが、「ファッション通信」っていう、パリコレとかミラノコレクションとか放送する番組が昔から大好きで。モデルも男女がいるし、ファッションは春夏秋冬あって永遠に終わらない。だから、これモチーフにしたらいけんとちゃうかなって(笑)。

これやん:家電から動物や人間などの生き物へと、作るものの世界が変わったのにも関わらず、すごくしっかりとしたバランスを保っていますよね。

COOL氏:ええ、骨格を銅の棒でハンダ付けしてしっかりと作っているんです。人間の骨を形取って、関節を曲げたら絶対に狂わないから、真ん中にそれがあるんです。写真なんか見て「あ、カッコええポーズやなあ」と思っても、骨格をしっかり作っといてからでないと無理なんです。動物はね、人間を作り始めた翌年から作り始めたんですが、調べるほどに面白い動物がたくさんいて、思わず作りたくなります。そのときも写真をたくさん見て、骨格をちゃんと形取って……それでいてこういう綺麗なラインはやっぱりモダンデザインというか、それがもう自分に染み付いちゃっているのね。

これやん:大きさもちょうどいいですね。

COOL氏:A4サイズとB4サイズの2種類があって、家庭用には前者、大きな会場の展示会には後者という感じです。モデルさんの骨格を作るときにプリントアウトするのもA4が分かりやすいし、パッケージもA4サイズだと収まりがいいと、プロダクトデザイナーとしては考えるわけです。いやあ、楽しいですよ。