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おしゃま探偵

田川秀樹Hideki Tagawa

作品概要

制作年
2021年
素材
キャンバス、アクリル絵の具
サイズ
160mm(幅)×273mm(高さ)×20mm(奥行き)※M3号
販売価格¥35,200(税込み)

これやんの作品コメント

懐かしさを感じる昭和の特撮の雰囲気を持った作風で活躍する田川秀樹さんの新作をご紹介します。こちらも前作と同じく、昔のテレビに出てきそうで出てこない架空のキャラクターを描いています。田川さん曰く“時間を持て余したお嬢様が、事件があると探偵を気取って首を突っ込むのですが、だいたいは事件を引っ掻き回して終わりです”というテーマ。こちらもユーモアたっぷりのストーリーですが、昔のイラストのヴィンテージ感をリアリティをもって再現するタッチにも注目したい作品です。
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STORY

倉本:田川さんの画は戦隊モノや特撮系のテイストが満載で、それが進化している感じがしてワクワクします。昔の漫画雑誌の特集ページとかにインスパイアが大きそうですね。

田川:その通りです。当時の子供向けの媒体って胡散臭いことばっかり書いてあるんですよ。それが面白くて再現したいなと思って描いています。僕がイラストを始めた1996年はちょうどCG(コンピューターグラフィック)が勃興してきた時期で、新人で描くならCGという流れでした。でも、それは違うなと思い、手描きで胡散臭い感じにこだわろうと。そういう絵と心中するつもりで始めました。当時、こういう画は古臭いから消えていく流れでしたが、予想外に好評だったので自分でも驚いています。

倉本:武蔵野美術大学のデザイン科を卒業されていますが、絵画ではなくてデザインだったんですね。

田川:高校時代に映画のポスターを描かれている生頼範義さんの画に感動して、純粋芸術じゃなくても、人を感動させる画が描けるんだと思ったんです。だからイラストとかそういったメディアやデザイン系のほうが面白いんじゃないかって。

倉本:生頼さんや小松崎茂さんのような画って、なくなっていく存在というか、引き継いだ人がいないと思っていたら、ここにいたんですね!

田川:(笑)。小松崎さんや生頼さんの存在が偉大すぎて、こういった画を描く人はみんな真面目な方にいってしまうんですよね。でも、例えば小松崎さんならぶっ飛んでいるというか、常人の発想では描けないところに凄さがあると思っていて。

倉本:イラストレーターになる前はミニチュア造形を作っていたんですよね?

田川:ゴジラなどの特撮に使うミニチュアを作る工房にいましたが、造形屋がこれからはCCの会社にするということになり解雇されまして……そっちの方は諦めて、昔から好きだった画に戻りました。

倉本:なるほど。造形を経た上での画だから、こんなにもしっかりと構築されているんですね。

田川:イラストを始めた頃に、ありそうで実は無かったものを一生懸命探っていて。それで気がついたのが、こういったスタイルの昔の絵は、時間がない中で作業している感じがあってかなり雑なので、もっと描き込めばいいのになということでした。それと僕は造形をやっていたので、画であっても立体的でないと満足出来ないんです(笑)。この手の絵をサラッと漫画風に描く方はいらっしゃると思いますが、僕は質感や重厚感にこだわりたくて、二次元で造形をやっている感覚です。ギャグっぽいタッチで描いたとしても立体的に描きます。それが自分のオリジナリティなのかなと思っています。