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HUIT

作品概要

制作年
2019年
使用素材
シナベニヤ、アクリル
サイズ
258mm(幅)×183mm(高さ)×15mm(奥行き)
特筆事項
直射日光の当たる場所や高温多湿の場所に置くと、ひび割れ、変色、反り、カビ等の原因になりますのでご注意ください。
販売価格¥(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

版画のようで版画ではない、ビビッドな色合いが効いた不思議な作品。必要に迫られたことで発明が生まれて辿り着いたHUITさんの作品からは、客観的であることの大切さを感じます。もともと芸術家畑ではないKiyocaさんの存在があるからこそ、鑑賞者の気持ちに近づくことができ、それがこんなにもポップで親しみやすいアートを生みだしているんやね。
STOP SELLING

STORY

倉本:HUITさんの作品は何というか、版画のような不思議な作品ですね。こういう作品が出来上がったのには、どんなストーリーがあったのですか?

Nori:美術系の専門学校の卒業制作のときに、何を作ったら良いのか分からなくて悩んでいて、小学校の頃に先生に教えてもらった版画の黒い独特のラインが好きだなと思って、卒業制作ででっかい作品を……。

倉本:作ったんですか?

Nori:間に合わなくて留年しました(笑)。多色刷りにするつもりでしたが、それだと全然時間が足りないことに締め切りの一ヵ月前に気がついて。でも、彫ってはいたので、とりあえず真っ白に下地を塗って白黒の状態で一応提出しました。それで発表のときに、先生がみんなの前に作品を出してくれて。そうしたらみんなが集まってきて“何だこれ”って騒いでいるのを遠巻きに見て、これはいけるぞと思ったんです。でも、いざそれで稼ぐとなると、絵が嫌いになってしまいそうで作家の道は諦め、植木屋をやりはじめて10年が経ち……。

Kiyoca:私が“もったいないからやればいいじゃん”って言って。あなたが作らないなら私が彫ってみるよって、そのうちに塗る方もやってみようかなと。そんな感じで私のほうから煽りながら、2人でやることになったんです。

Nori:最初の個展も手伝ってもらっていて。でも、色塗りにはこだわりがあったので、絵の具を混ぜてレトロな雰囲気に仕上げたかったんです。でも、彼女が原色の絵の具をそのまま塗りだしたのを見て、“絵の世界はそんな甘くないぞ”と思っていて。でも、とにかく時間がなかったので僕が塗ったものと、彼女が塗ったものを両方展示したら、最初に売れたのが彼女のほうでした(笑)。

倉本:相方なくしてこの作風は生まれなかったんですね。下絵はNoriさんが描いているんですか? テーマとかストーリーはどういったものがあるんですか?

Nori:ストーリーは特にはなくて、よく描くのは子供、大きい動物と小さい動物ですね。人物は目線を追うと、何かを見ていると言う構図になっていて、ただそこに居るだけじゃなくて、子供同士が手を振っている……というようにパーツごとに考えながら、イメージを膨らませて描いています。

Kiyoca:それをお互いで好きな絵の具で塗って。完成を見てお互いが好きだったらオッケーで、ダメだったら勝手に塗りかえちゃっています。

Nori:大体、グラデーションになっているところが僕ですね。でもグラデを付けすぎると“うるさい”って言われます(笑)。一色だけなんてと思っていたのですが、版画のように立体になっているから影が出て単色でもけっこう味が出ることを、彼女から教えてもらいました。

倉本:自分のこだわりを解き放ったときにブレイクが起こったわけですね。これからがすごく楽しみです。絵のテイストもポップやし、絵本のイラストとかもすごく合いそうですよね。ストーリーと合わせてもすごく面白そうやし、そんな作品も見てみたいです。