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Typography House “+”

kamihasami

作品概要

制作年
2021年
素材
サイズ
120mm(幅)×95mm(高さ)×120mm(奥行き)
※アクリルケースサイズ
エディション
1/3
特筆事項
アクリルケース付
販売価格¥55,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

紙を用いて文字や記号といったコンセプトを持ったジオラマ風の立体作品を作るアーティスト、kamihasamiさんの作品をご紹介します。上から見ると+(プラス)のカタチになっているこちらの作品、赤十字の“十”からイメージして“町の診療所”をモチーフに制作されています。船着き場から貯水タンクまで繊細に作られていて、光の当たり具合によって生まれる陰影も見どころです。
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STORY

倉本:kamihasamiさんにとって創作するきっかけは何でしたか?

kamihasami:物心ついた頃から細かい作業が好きでした。近くのスーパーマーケットでいらないダンボールをもらってきては切り刻み、集めていたミニカーの大きさに合わせたジオラマを作っていました。ジオラマで世界を作る感じが好きで、気がついたら40歳を過ぎても同じことをやっているので、なんか不思議な気がしますね。

倉本:そこに至るまではどんな道のりでしたか?

kamihasami:はい、理工系の学校で電気工学を学んでメーカーに勤めてもいしました。でも、手を動かして物を作ることがなかったのでフラストレーションが溜まってしまって、デザインの専門学校に入り直しました。それからはずっと空間設計などの建築寄りのデザインを仕事としてやってきましたが、マケット(模型)を作るたびに“これを作品にできないか”と思ってしまうんです。なにしろプレゼンが終わると、模型を捨ててしまうのがしのびなくて。そこでいろいろと試行錯誤するうちに、立体の紙工作のような作品になっていきました。

倉本:今の作風にたどり付いたきっかけは何かありましたか?

kamihasami:グラフィックデザイナーの五十嵐威暢さんが手がけた立体文字で作ったMOMAのカレンダーがあって、それを見たときの印象がすごく強烈に残っていました。これを実際に紙で作ったらどうなるんだろうという思いがずっと頭のなかにあって、仕事で作っている建築模型に立体文字のイメージを合わせて紙で作ってみたのが、今の作風のはじまりでした。

倉本:作品はどうやって作っているのですか?

kamihasami:コンピューターで平面図を設計して、タント紙を使ってレーザーでプレカットし、それをひたすらカッターで切って接着していきます。でも、ただのジオラマではアート作品にならないので、俯瞰で見たときに文字が浮かび上がるビジュアル的な面白さを表現しました。ちなみに全部ボートハウスのカタチにしているのは、細かい影を表現したいんです。普通の家だとディテールがつまらないというか、手すりや脚をつけることで影が出てくるんですよ。作品を見て“こんな家を建てたい”って言ってくれる人もいますね(笑)。