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躍動する生命体10

鈴木香南Kana Suzuki

作品概要

制作年
制作年
使用素材
ガラス
サイズ
200mm(幅)×200mm(高さ)×200mm(奥行き)
販売価格¥385,000(税込み)

これやんの作品コメント

2016年にチェコで開催された『Stanislav Libensky Award 2016』にて入選経験を持つ、ガラスアーティストの鈴木香奈さん。「躍動する生命体」のシリーズは溶けるガラスが生み出す、奇跡的な瞬間を捉えた作品で、その独創性にあふれた造形は海外からも高い評価を受けています。溶けたガラスが織りなす偶発的な造形に身を委ねながらも、鈴木さんの研ぎ澄まされた感覚が生み出す作品は、まさに世界にひとつしかないアート作品です。
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STORY

倉本:お父さんもガラス工芸をやられているんですよね?

鈴木:はい、父親からは影響を受けています。でも、最初はガラスをやろうとは思っていなくて、絵を描いたりしていました。でも、漠然と何かを作りたいと思ってはいて、そのなかで自分にとって近しいものがガラスだったので、ガラスの専門学校に通うようになったのですが、まわりにはガラスが大好き!って思っている子が多くて。でも、私はただ漠然と物作りがしたい気持ちだったので、熱量が違いすぎて……。

倉本:みんなと違って、鈴木さんは何となくって感じだったんや(笑)。いわゆるガラスが大好きな作家さんに見られるような、素材の透明感や滑らかな質感といった作風とはまったく違いますよね。

鈴木:住んでいた場所が田舎だったので、ネコやカマキリみたいに身近にいた動物をガラスで作っていたのですが、動きもつまらなくてピンとこなかったです。その頃、溶けたガラスがドロッと型から流れてしまったことがあって、それを学校の人たちに見せたら“これ面白いね!”と言ってもらえて。それで、自分では失敗だと思っていたけど、動きもあるし、生き物にも見えることに気づけました。

倉本:作っている最中に自然とコラボレートできたということやね。一番良いミックスのコラボレートの瞬間を捉えて、作品化しているという。型から流れたと言うことだけど、型があるようには感じないですね。

鈴木:キルンという技法を使っていて、粘土で型を作って、石膏で型取って、ガラスを入れ、窯で焼き付けています。

倉本:この作品はいろいろな質感の違いが混ざっていますね。

鈴木:これは対比というか、このモジャモジャとしたところとヌメヌメ、テラテラしたところを対比して作れないかなと思っていました。溶けていったときに、ガラスが伸びて薄くなったところに穴が開いて。そういうボロボロ感も出て欲しいなと。この作品はある程度想像しながら作りました。

自分のなかではわりとうまく行きすぎたことに、納得いかなかったりもしますけど(笑)。やっぱり自分の想像だけではなく、ガラスが出してくれる躍動感や特性を取り入れようと思っていますから。

倉本:納得の仕方もどんどん変わっていくし、それが成長にもつながっているんでしょうね。

鈴木:そうですね。自分が納得したりいいと思った作品が、かならずしや評価されるわけでもないと思っているので、どんな作品でも見てもらいたいと思ってます。

倉本:その未完成な感じが鈴木さんの作品の魅力ですね。計算だけではなくて自然に見を委ねることで生みだしているから、ある意味ですべての作品が宝石のようなものです。