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しかくとさんかく

杉谷一考Kazutaka Sugitani

作品概要

制作年
2024年
素材
セラミック
サイズ
140mm(幅)×270mm(高さ)×140mm(奥行き)
販売価格¥110,000(税込み)
販売応募期間:2024年10月25日〜11月25日まで

これやんの作品コメント

積み木のような独特のフォルムの彫刻作品を生み出すアーティスト、杉谷一考さんが初登場。大きなブロックのうえに小さいピースが積まれたように見えるこの作品ですが、実は大きなひとつの粘土の塊になっています。こちらは杉谷さんが無心で作った造形で、気泡が立ったような表面も印象的ですが、厚塗りされた釉薬が生み出す質感とのこと。カラフルな色合いといい、鑑賞者に子供心を想起させるような個性溢れる作品です。
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STORY

これやん:彫刻を目指したきっかけは何でしたか?

杉谷:高校は普通科の進学校でしたがすぐに進路を決める必要があり、そのときに初めて自分の将来を考えました。手先が器用で美術が好きだったので、何となく美大かなと思いました。それから美術系の予備校に行くようになり、絵を描くよりも手を使って自由に物を作るほうが好きで、彫刻科を選びました。

これやん:彫刻にはいろんな技法や素材がありますが、今の作風に行き着くきっかけはどんなものでしたか?

杉谷:彫刻科では粘土で人体を造形する“塑像”を学びました。粘土の造形は保存できないので石膏で模りますが、石膏に置き換えた途端にまるで仮の姿のように見えて“これは残念だ”と感じました。それで、粘土の造形を素焼きで仕上げるテラコッタの授業を受けたときに“これならそのままカタチに残せる”と思いました。それからは焼き物の面白さにふれて、釉薬などの奥深さを知り陶芸や工芸に興味が湧きました。でも、好きなカタチを作りたい思いに立ち返って、今のアート方面の表現へと進みました。

これやん:積み木というモチーフになったのは?

杉谷:無心に粘土を触っているときにふと思いつきました。焼き物は粘土を下から積み上げて作りますが、重くて柔らかいので大きくなると自重で曲がってしまいます。このバランスを取りながら形を作る行為が“子供の頃の積み木遊びみたいだ”と感じて、積み木をモチーフにしてみました。積み木遊びは最後に壊してしまいますが、この作品は焼き物なのでそのカタチを永遠に残すことができます。

これやん:童心に立ち返って自由に作ったカタチをそのまま残すというコンセプトなのですね。

杉谷:この作品を作るときは童心に戻る感覚があり、作品を鑑賞する人にも僕と同じように子供心を思い出してもらえたらと思います。作品は一見簡単そうに見えますが、実はパーツごとに分かれずにひとつのオブジェになっているので、バランスを含めて実験を繰り返しながら作っています。粘土の状態だともっと鋭くて積み木っぽい見た目ですが、それを厚めの釉薬で包んで焼きあげることで丸くしています。包むことで積み木の“意味”をもっと前に押し出したいなと思っています。