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Skull – A/Skull – UN

京森康平Kohei Kyomori

作品概要

制作年
2018年
エディション
2/3
サイズ
500mm(幅)×606mm(高さ)
特筆事項
2枚セットの作品です。

倉本美津留のこれやんコメント

デザイナー的な視点と豊かな色彩感覚、歴史的なモチーフを用いるセンスで「SICF20」でも準グランプリを受賞した注目の若手作家、京森さん。こちらは「SICF」や「IAG AWARD」でも展示されていた「A-UN」シリーズ。ヴィヴィッドでポップな色彩感覚で描かれるスカルに加えて背景には浮世絵的な構図があり、和のテイストを感じられます。
SOLD OUT

STORY

倉本:画を描きはじめる前は、ファッションを学んでいたんですよね? 

京森:はい。文化服装学院の在学中に海外留学権のあるコンテストを受賞して、イタリアのミラノにあるIstituto Marangoniという学校でファッションデザインを学び、卒業後はミラノのブランドでインターンなどを経験しました。

倉本:そこからなぜ、絵画の道へ進んだのですか?

京森:イタリアに在学中、ヨーロッパの各地を旅したときに、鉄格子やタイル、建築やステンドグラスなど、歴史から生まれた装飾が持つエネルギーに魅了されたのがきっかけでした。ファッションを学びながらも、海外と日本のファッションという文化の違いを感じることもあり、服作りよりも今言ったような装飾的な画を描きたいと思うようになりました。日本に戻ってからは、ファッション・ブランドのディレクションをしながら、現代美術作家/アート・ディレクションとして活動されていた三嶋章義さんのもとで3年間修行して、グラフィックデザイナーでありながらも、アーティストとして作品を作るようになりました。

倉本:今の画風に至ったのはどういった経緯ですか?

京森:ひたすら線を描いていく細かい絵がもともと好きだったのと、ヨーロッパで感化された装飾美術が好きだったので、そういった装飾性をテーマにした画を描きたいと思ってました。そこにグラフィックデザイナーとして培った現代性を生かし、デジタルツールを制作にも取り入れながら、世界中の民芸や工芸、建築、衣服など歴史的な文化を組み合わせて、作品に昇華しようと思っています。

倉本:そういった無国籍感があるのにも関わらず、日本的なテイストがあるのが面白いですね。

京森:海外に留学しているときに、自分のアイデンティティがないと勝負できないと思ったことが大きいですね。日本人がヨーロッパに行って洋服を学んで西洋の延長線上にあるものを作ったとしても……海外では評価されないんじゃないかなと。それで自分の作品を作るようになったときに、日本の伝統的な文化や価値観をコンセプトにしながらも、これまで自分が培ってきた感性と組み合わせようと思いました。「A-UN」のシリーズは、仏教のルーツでもあるサンスクリット語が、ひらがなと同じではじまりが「あ」、終わりが「ん」であることに面白さを感じて作りはじめました。離れた国や民族でもどこか共通する部分があり、人類が感覚的に良いと思うセンスは、実はつながっているんじゃないかなと思っていて、それを作品から感じてもらえたら嬉しいですね。