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作品概要
- 制作年
- 2020年
- 使用素材
- oil on canvas
- サイズ
- 333mm(幅)×242mm(高さ)
これやんの作品コメント
STORY
倉本:この独特のモチーフは、どうやって生まれたのですか?
友沢:大学に入学してから夏までずっと画を描いていなかったのですが、藝祭で何かしらの作品を出さなければいけなくなり、そのときに油絵で描いたのがこういうスライムのような作品でした。この作品を描いたときに絵の具と自分が一体化した手応えを感じて、そこから酔ったようにこのモチーフを描き続けています。
倉本:ちなみに画をはじめたのはいつ頃でしたか?
友沢:画は物心がついたときから描いていて、幼い頃から画家になるつもりでした。美術高校で油絵を学んだのですが、一向にうまくならず、いつも怒られていました。というのも、わたしは何を描いてもヌルヌルした感じになってしまって。
倉本:ジェルのようなモチーフは、昔から持っていた素質でもあったんですね。
友沢:はい、高校の頃はそれが自分のダメなところだと思っていました。でも、そういった自分を克服しないで解放したら、ヌルヌルしたものを描きたい気持ちがどんどん湧いてきたんです。影響を受けたのはフランシス・ベーコンで、今描いている作品の色の感じなどはベーコンさんからの影響が大きいと思います。
倉本:油絵に向いた表現なのかもしれないですね。
友沢:そうだと思います。わたしはゆっくりしているので、アクリルはすぐに乾いてしまいますが、油絵の具だと“まだ混ぜていていいんだよ”って言ってもらえている気がして。色へのこだわりが強くて、求める色になるまでずっと絵の具を混ぜていたりするので、油絵のほうが向いていると思います。
倉本:このヌルヌルしたモチーフは、どうやって描いているのですか?
友沢:いろんなモチーフがありますが、普段は自分の顔にジェルを塗りたくって写真を撮り、そこから画にしています。
倉本:え、そんなことをしているんや!
友沢:わたしは作品を見たときにその人のストーリーが理解できるというよりも、その瞬間に自分の皮膚や身体に響くものにしたくて。だからこそジェルを塗った自分の身体や、そのときに見える世界など、そういった身体性を大事にしています。そうは言っても、ジェルを被った自分の写真を見ると、ただの変態なんですけど(笑)。
倉本:だからこそのリアリティなんですね。この世に無いものを描いているんだけど、このリアルな感じはなんだろうと思っていたので、話を聞いて納得できました。
友沢:描くという行為がリアリティを出してくれるのだと思います。描くことはわたしにとって愛するということでもあって、愛を塗っているような感覚で作品を描いています。