今様オロチくん
作品概要
- 制作年
- 2021年
- 素材
- 紙、油彩
- サイズ
- 300mm(幅)×400mm(高さ)
- 特筆事項
- アルシュ社の油彩用紙に描いています
これやんの作品コメント
人形作家・油絵画家として活動するくるはらきみさんが初登場。こちらは今回のためにご自身がもともと制作していた人形を絵画として表現した最新作です。人物の頭上にいるのは”ヤマタノオロチ”で、くるはらさんは大蛇を“水害の擬人化”として捉え、蛇が穏やかな状態でいることを願って、このようなかわいらしい造形になっているとのこと。大きめの目や肌の質感、そして人形よりも明るいトーンで描かれているのも印象的です。
STORY
倉本:絵の世界に入ったのはどういったきっかけでしたか?
くるはら:美術が好きで中学・高校は美術部に入っていました。人物画が好きでしたが、人を描いても“人形みたいなだね”と言われることもあったので、人形にはずっと親近感がありました。
倉本:美術大学の在学中から人形を作るようになったそうですね。
くるはら:子供の頃から人形が好きで、操り人形を作ったりしていました。本格的にはじめたのは、人形作家の四谷シモンさんが「人形愛」という写真集を出されていて、そこで人形表現の面白さに惹かれたのがきっかけです。“ゴム引き人形”という関節がある人形を作り始めたのですが、もともと宗教画が好きで、そういった絵画のモチーフを立体化したいと思っていました。
倉本:今回はもとになった人形を見て絵を描かれていますが、人形を作るときはスケッチなどがあって、そこから作り始めるのですか?
くるはら:いや、人形を作るときはスケッチもなく、なんとなく手を動かしながら作っていきます。住んでいる場所は自然が豊かなので、そういった景色や植物を見たとき、本を読んだときなどに思い描いたイメージがもとになっていることが多いですね。
倉本:人形を作るうえでこだわっているところは?
くるはら:塗りですね。人形の下地はオーブン陶土で成形して、そのうえに油絵を何度も磨き塗りしながら、艶を出していきます。あとは人形に着せる服も手縫いで作ったり、あとは髪も植えたりするのですごく時間がかかります。人形は1年間で作れても数個くらいですね。