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雲雷竜/Thunder Cloud Dragon

KYOTARO

作品概要

制作年
2013~2019年
使用素材
紙、鉛筆(Pencil on paper)
サイズ
593mm(幅)×420mm(高さ)/作品イメージ
615mm(幅)×445mm(高さ)×20mm(奥行き)/額
特筆事項
2013年に描いた過去作品をトリミングして加筆し、2019年に仕上げました。
額の色にご希望がありましたら教えてください。

倉本美津留のこれやんコメント

独創的な鉛筆画でアート界はもちろんのこと、多方面にて活躍するアーティストのKYOTAROさん。「雲雷竜」は2013年に出品したものに加筆を施した作品です。龍をモチーフにしていますが、目を凝らして作品を見るとその龍が浮かび上がってきて、それを認識した瞬間に絵のイメージがグッと脳内に入り込んでくるという、とてつもないパワーを持った作品です。抽象と具象が混ざり合うことで、幻獣である龍を見事に表現しています。
SOLD OUT

STORY

倉本:はじめてKYOTAROさんの作品を観たときに、素晴らしい描写力と世界観に驚きました。どういう経緯でこういった鉛筆を用いた表現に辿り着いたのですか?

KYOTARO:十代の頃は漫画家を目指してペン画を描いていました。鉛筆で下書きしてからペンで描いて、鉛筆の線を消していたのですが、鉛筆の線を消すと何だかテイストがガラッと変わってしまって、下絵のほうがカッコ良いなと思うようになりました。それで私は鉛筆の方が向いているのかな思い、制作を開始しました。

倉本:ちなみに好きだった漫画家は誰でしたか?

KYOTARO:手塚治虫先生や鳥山明先生、あとは大友克洋先生、宮崎駿先生、高橋留美子先生ですね。

倉本:なるほど、確かに大友さんの描き込んだ感じとは共通する部分も感じますね。KYOTAROさんの作品は幻想的な世界というか、見えないものを可視化しているような印象もあります。

KYOTARO:“物として見ることができたら嬉しいだろうな”と思うものを描いたりします。それは妖精や神仏だけではなくて……例えば最近だと、未来人はどんな理想的な暮らしをしているのかと思いを馳せて作品を制作したり、大学の研究者の方々とのコラボレーションで、顕微鏡でも見えないミクロな領域から、地球のスケールを超えるようなマクロな領域をテーマに作品を制作したりしています。

倉本:肉眼には見えないけど実際にはあるものとは……すごい境地まで行ってますね。あと、KYOTAROさんは妖精をよく描いてますよね?

KYOTARO:はい、私って“妖精を描く人”というイメージがあると思うのですが、2000年あたりから妖精ばかりがイメージに出てくる時期があり、“妖精を描く必要がある時期なのかな?”って思って妖精を描きはじめました。例えば「アリス・イン・ワンダーランド」のアリスのように、みなさんが妖精として愛していたり、そのキャラクターや存在に対して同意している部分でその世界は存在している気がしていて、何というか……その世界と交渉しながら描いています。そういったなかで“これはやってもよくて/これはダメ”っていうラインが自分にはあって、それに気を配りながら描いています。

倉本:確かに、みんなが好きな物をKYOTAROさん的な解釈で描くシリーズもありますよね。でも、見えないものをスピリチュアル的に描くというのではなく、実際にはリアリティがあることを表現している気がします。

KYOTARO:その通りで、より分かりやすい形で描く必要があると思っています。私自身、夢を与える立場ではありますが、作品を現実的な世界に落とし込み、発表することを考えながら向き合って描いているので、ドリーマーではないんです。