テーマの「いき（粋）」は、知っているようで知らなかった言葉です。イメージとして「粋」という言葉は、さりげない行ないを相手に“粋だな”と思ってもらって、ようやく成立します。ですから、粋を作品としてつくるのはすごく難しかった。作品では大理石のツボを誰かにプレゼントすると言う前提で、箱を開けた時のさりげない優しさを見せたいと思いました。箱の中に毛布の表現で粋を作ろうとしたのですが、毛布自体が過剰なので、さりげなくは絶対に無理でした。僕自身、普段からやりすぎて全然、粋じゃない。そこが、毛布作品と似ていて面白く、自分はこんな人間なんだということが分かりました。これやんでは倉本さんとの関係がフランクなぶんやりやすいですね。真面目にふざけさせてもらいました。