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作品概要
- 制作年
- 2011年
- 素材
- 松材、顔料
- サイズ
- 400mm(幅)×370mm(高さ)×80mm(奥行き)
販売応募期間:2024年8月23日〜9月23日まで
これやんの作品コメント
木彫を主体に金属や版画、コラージュなど、分野を超えて制作する彫刻家の荒井雅美さん。こちらは2011年にトルコにて招待制作した野外彫刻作品のミニチュア版として日本で制作した作品。当時は東日本大震災直後の頃で、荒井さんは“大災害が起きたとき、自分にできることは待つこと”だと思い、ひとつの目を持った生き物がただ見つめている姿を具現化しています。
STORY
これやん:荒井さんの作品は半立体的な作風ですね。
荒井:もともとレリーフ的なものが好きで、平面が立体になる瞬間というかそういった中間的な表現が好きです。というのも、私は幼い頃から映画が好きで、彫刻で映画的な表現ができないものかと考えていました。映画のスクリーンは平面ですがそのなかで立体的な広がりを演出したり、時間の流れがあったりするじゃないですか。そういうことを試行錯誤するうちに、自然と平面と立体の中間的な表現になっていったんだと思います。
これやん:なるほど。映画のスクリーンのようなイメージと言われると、杢目を生かした着彩なども腑に落ちます。あとは顔の表現で横顔が多いのも特徴的ですね。
荒井:人物だと私は横顔が好きで、キマっている横顔を見ると何だか作りたくなるんです。
これやん:木彫の作風だけでなく、ワイヤーを用いた作品もありますね。
荒井:ワイヤーの作品は最近はじめたもので、きっかけはとあるギャラリーでの展示でした。その場所は立体の展示が難しく壁に掛けられる作品でないと飾れなかったんです。これはどうしたものかと思い、もともと金属を使った作品も作っていたのでワイヤーを使ったら壁にかけられる作品ができるかなと思って作りはじめました。
これやん:作風は木彫とはまったく違いますが、半立体という点で見ると共通していますよね。
荒井:結果的にはそうなっていますよね。ただの平面ではなく、そこから何かが出てきそうな感じが好きなんです。何度も巻き付けたり飛び出してみたり丸めてみようとか、そんな風にして作っています。私は伝えたいことを意図して作品を作ることはないです。作品を見る人の見方や楽しみ方に合わせて、自由に楽しんでもらえたらと思っています。