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お庭

刑部真由Mayu Osakabe

作品概要

制作年
2021年
素材
キャンバス、油絵の具
サイズ
418mm(幅)×318mm(高さ)✕30mm(奥行き)
販売価格¥66,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

記憶をテーマに抽象的な風景を描く現代アーティスト、刑部真由さんの最新作品をご紹介します。淡くもハッとする個性的な色彩感覚からは、不思議と懐かしさを感じます。風景と記憶をモチーフにしながらも、現実と非現実の狭間の行き来するような作風で、見る人を引き込む力をもっています。
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STORY

倉本:刑部さんが画で表現したい世界について教えてください。

刑部:風景や花、動物をモチーフにしていますが、記憶や日常が作品のテーマになっています。私は小さい頃から“ハッとした光景”が自分の中に記憶としてあって、それがもとになっています。ほとんどが実際に見た風景で、今回の作品だと祖母の家の庭です。そこにあったアジサイの木の葉っぱにいたカタツムリと一緒に、いとこや姉と遊んだ記憶があります。静岡県浜松市にあった今は区画整理されてなくなってしまった場所です。

倉本:今の淡く抽象的な画風になった経緯はどういったものでしたか?

刑部:以前はよりモチーフを具象的に描いていました。でも、もっと世界観を伝えたいと思っていたので、そこまで細かく説明的に描かずに、削ぎ落としてもいいんじゃないかと思うようになり、アウトラインをしっかり描くのをやめました。色合い的には青、緑、茶が好きですね。油彩は乾くのに時間がかかるので、画の上で指を使って色を何層も重ねたりして、こだわって色作りをしています。印象派のクロード・モネやジャン=フランソワ・ミレーが好きなので、影響を受けているかもしれません。

倉本:作品を見る人に伝えたい思いは?

刑部: 子供の頃から、私は勉強もスポーツもダメっていう劣等感みたいものがあって、絵が唯一の救いだったんです。そうやって何かに救われるという思いを共有できたらいいなと。日常や現実をこなしていくなかで、絵を見た人が救われるような作品を描きたいと思っています。

倉本:刑部さんが“ハッとした光景”について、他にもどんなものがあるか教えてください。

刑部:例えば近所を散歩していて、冬独特の白く霞んだ景色の中に、ピンク色のサザンカの花があったりするときですね。花は自分を投影しやすいので、それがきっかけでよみがえった懐かしい記憶や、忘れ去られた感情を花に代弁してもらっています。何よりも美しいし、自然の力強さを感じさせてくれます。子供の頃の記憶ってだんだん忘れていってしまいますが、それを形にして残しておきたい。そして同じような気持ちで見る人と共有したいんです。