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ESCAPEシリーズ(Wolf)

スガミカMica Suga

作品概要

制作年
2018年
使用素材
印画紙、雁皮紙、アクリル、色鉛筆等、ミクストメディア
サイズ
410mm(幅)×528mm(高さ)×20mm(奥行き)※額装サイズ
特筆事項
雁皮紙などコラージュあり

これやんの作品コメント

イラストレーターの登竜門でもある「HB FILE COMPETITION」の賞歴を持つ、スガミカさんがこれやんに初登場です。こちらの作品は2018年に阪急うめだで開催された「コンテンポラリー・シック」のために制作したもの。動物と女の子がモチーフになっていて、無国籍さを感じる独特のタッチ、二足歩行のオオカミなど、どこか変わった世界観を感じ取れる作品です。
SOLD OUT

STORY

倉本:スガさんの作品は版画のようでもあり、そうでもない独特の質感です。キャラクターの部分は紙を貼っているのですか?

スガ:はい、雁皮紙を貼っています。私は昔から紙という素材が好きで、ちょっと変わった薄い紙や紙の切れ端を集めていました。大人になり銅版画を学んでいるときに、雁皮刷りのために使う薄い雁皮紙を、ある紙の工房さんが間違って厚く作ってしまった紙を譲ってもらいました。それから数年経ってその厚手の紙をあらためて見たときに、水にも強いのに下に敷いた色を透過する不思議な紙だなと思いました。それでこの紙を使って作品ができないかと思い、今の雁皮紙をコラージュする手法を思い付きました。今はこの紙を使い切ってしまったので、逆に同じものを発注して作って使っています。

倉本:なるほど、この独特の作風は他にはない紙を使うことで生まれているんですね。画のタッチはちょっと無国籍なようにも感じます。

スガ:以前はもっとファッションよりのイラストを描くことが多かったですが、普通よりも頭を大きく、身体を小さくしたバランスの人物を描くことで、ちょっとした毒や怖い感じが出て、画が面白くなることに気がつき、そこから今のようなタッチになっていきました。小さくて当然だと思っているものが大きく描かれていたりする意外性が気に入っていて、私自身ちょっとひねくれてもいます。あとは版画のノイズ感、綺麗なものよりもキズや汚れた質感があるほうが好きです。

倉本:作品作りの行程を教えてください。

スガ:偶然性を出すためにも、ラフを描いたりしないで塗ったときにできたムラを生かしながら作っていきます。雁皮紙はあとから貼っているので、どういう風に配置していくかを考えたりしながら、色はアクリルや色鉛筆を使っています。下地は何度も色を重ねたりして、深みが出るようにしています。

倉本:顔の描写に特徴がありますね。

スガ:目力があると、よく言われますね。あと、人物の視点が定まっていないように感じるのは、私は両利きなので目を描くときに、右目は右手で左目は左手で描いたりすることもあるので、そう感じるのかもしれません。