44-18
作品概要
- 制作年
- 2018年
- 使用素材
- アクリル絵具、キャンバス
- サイズ
- 727mm(幅)×727mm(高さ)
これやんの作品コメント
STORY
倉本:高山さんの絵を初めて観たときに、大きなサイズの作品にいそうでいないような動物が普通の絵画とは違う手法で描かれていて、不思議なインパクトを受けました。しかも、まだ学生だと聞いて余計にびっくりして“え、これが学生の作品?”もっと大御所の作品かと……そのくらいの完成度が高かったので、最初からそういう人なんだなと。普通の絵画を飛び越えている感じがしました。
高山:母がテキスタイルをやっていたので、その記憶が強烈にありました。私自身、絵を描くよりも織物だったり、そういうイメージが強いです。目で見た色って、いろいろな色の影響を受けて見えているので、固有色を作るというよりも、色が絡み合った状態を実体的に起こしたいと思っていて。予備校生の頃からだんだんといろんな色を使いたくなって、油絵からアクリル絵の具になって……注射器で絵の具を重ねていって、さらにカッターや彫刻刀で削っていくという手法に至りました。
倉本:なるほど、織物だ! モチーフはどういう視点で選んでるの?
高山:近代的な生活とはまた違って、支配的な関係にない人と動物が暮らしているような民族、動物の写真から選んでいます。「44-18」はカザフスタンに住んでいるカザフ民族で、鷹匠の人と馬と鷹がモチーフになっています。現実の社会で生きていると、いろんな意味で実感が薄れてきてしまっている気がするんです。メディアや産業機械などは“その目で見た実感”をすごく忘れがちになっているような気がして。その辺を自分も含めて、見る人に対してその実感を取り戻したいと言う気持ちもありますね。
倉本:確かに、感動する対象を最初に捉えたときの印象ってリアルとは違ったりするじゃないですか。その印象を生け捕りたいのかなと。高山さんが見た世界観や脳内の風景を、普通は人が見ることはできないけど、それを作品として視覚化しているという。だから夢の映像を見ているような感じというか、懐かしい気もするね。