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CAMEL Rider 2019 19-4

高山夏希Natsuki Takayama

作品概要

制作年
2019年
使用素材
アクリル絵具、キャンバス
サイズ
45.7cm(高さ)×45.7cm(幅)

これやんの作品コメント

「Camel Rider 2019」は僕がはじめて彼女に出会った作品を購入しやすいサイズとして新たに描きおろしてもらった作品。彼女は印象派の画家なんじゃないかなと思います。まったく新しい技法を持った新印象派。この作品の前に立つと、そこに魂がちゃんと内在していることに気付かされます。絵画という次元を飛び越え、エネルギーが鑑賞者にも直接伝わってくる、唯一無二感がすごいね。
SOLD OUT

STORY

倉本:高山さんの絵を初めて観たときに、大きなサイズの作品にいそうでいないような動物が普通の絵画とは違う手法で描かれていて、不思議なインパクトを受けました。しかも、まだ学生だと聞いて余計にびっくりした驚いた。え、これが学生の作品? もっと大御所の作品かと……そのくらいの完成度が高かったので、最初からそういう人なんだなと。普通の絵画を飛び越えている感じがして。

高山:母がテキスタイルをやっていたので、その記憶が強烈にありました。私自身、絵を描くよりも織物だったり、そういうイメージが強いです。目で見た色って、いろいろな色の影響を受けて見えているので、固有色を作るというよりも、色が絡み合った状態を実体的に起こしたいと思っていて。予備校生の頃からだんだんといろんな色を使いたくなって、油絵からアクリル絵の具になって……注射器で絵の具を重ねていって、さらにカッターや彫刻刀で削っていくという手法に至りました。

倉本:なるほど、織物だ! モチーフはどういう視点で選んでるの?

高山:近代的な生活とはまた違って、支配的な関係にない人と動物が生きている民族や動物の写真から選んでいます。「CAMEL Rider 2019」はラクダと人間が対等に生活を営んでいるモンゴルの民族から選びました。現実の社会で生きていると、いろんな実感が薄れてきてしまっている気がするんです。メディアや産業機械などは“その目で見た実感”をすごく忘れがちになっているような気がして。その辺を自分も含めて、見る人に対してその実感を取り戻したいと言う気持ちもありますね。

倉本:確かに、感動する対象を最初に捉えたときの印象ってリアルとは違ったりするじゃないですか。その印象を生け捕りたいのかなと。高山さんが見た世界観や脳内の風景を、普通は人が見ることはできないけど、それを作品として視覚化しているという。だから夢の映像を見ているような感じというか、懐かしい気もするね。

高山:多分、現実には落ちているんだけど、取りこぼしている部分に気づいて欲しいという感じはあります。

倉本:取りこぼしてる部分は、きっとリアルの外側にあるんやろうね。実は見えないもののほうが本当はいっぱいあるじゃない? 見えないけどもっと見えたほうがいいって感じのものが、この作品には含まれている気がします。だから作品の前を通った時に無視できないというか、“なんだろうこれ”って足が止まる。

高山:作品には流行みたいなものがあって、今っぽい作品って世の中にはたくさんあって、そういう作品は現代をすごく描き移しているからそれはそれで面白いんです。けど、それがずっと残るとは思えなくて。やっぱり立ち止まって、ずっと眺めていたい気持ちになるものを残したいですね。