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Teacup poodle

渡辺おさむOsamu Watanabe

作品概要

制作年
2019年
使用素材
FRP、樹脂、モデリングペースト、アクリル絵具
サイズ
130mm(幅)×170mm(高さ)×130mm(奥行き)

これやんの作品コメント

個展「Capitalism」で展示した作品のひとつで、資本主義経済をデコレーションしたスイーツで表現することをテーマにしています。一見すると、こんなにも可愛いらしいティーカップに入ったプードルですが、実は人気や可愛らしさを追求して生まれたティーカップサイズの犬へのアイロニーを含んだ、奥の深い作品です。
SOLD OUT

STORY

倉本:渡辺君は、実家がケーキ屋さんでお母さんがケーキ作りの職人さんなんよね。ご両親のDNAを受け継いでいて、しかもそれを食べるんじゃなく、鑑賞するアートに昇華させている! そのことを知って僕は“すごいやんか!”って、思ったんです。

渡辺:小さい時から母がケーキを作っていて、その記憶を表現することが一番自分らしい作品になると思って始めました。でも、先にこういうことをやっている人がいなかったので、なかなか認められにくかったですね。そのなかで、倉本さんが最初に僕のことを見つけてくれたんです。

倉本:2007年の京都のアートグランプリやったね。龍安寺の石庭をモチーフにして、石の代わりにでっかいイチゴで、砂利の代わりにクリームがバーって並んでて、“これはポップで最高やな”って思って倉本賞を贈らせてもらいました。そもそも、アートにルールなんてないし、面白いものを作って驚かせてくれることが一番大事やから。この作品は“まさに、渡辺おさむ”っていうものやね。

渡辺:これは動物シリーズのなかのひとつで、お菓子が集まって動物に擬態しているというものです。パーツのひとつひとつが集まって兎を形成していますね。

倉本:確かにメロンやグミ、サクランボ、リンゴも兎のカタチをしているね。

渡辺:そうなんです。10年前の作品だとデコレーション自体がもっと単純でしたが、その頃と今の作品を比較すると制作時の技術も、格段に向上していますね。

倉本:例えばそういう技術は、どういう部分に表れていますか?

渡辺:モデリングペーストでデコレーションしていくときは、絞り袋を握る力の加減でクリームの大きさをコントロールするのですが、そこは一定の握力でやらないと同一の形状は生まれません。その辺は長年やらないと上手くできないので、そういった部分も見てもらえると面白いと思います。