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龍神さまの気まぐれ

大島利佳Rika Ohshima

作品概要

制作年
2021年
素材
アクリル絵具、岩絵具、水干、和紙
サイズ
220mm(幅)×273mm(高さ)×20mm(奥行き)

これやんの作品コメント

幼さとあどけなさが残る女の子を描き、月刊美術「美術新人賞デビュー」グランプリ受賞経験を持つ気鋭のアーティスト、大島利佳さんが初登場です。大島さん曰く“龍が布の柄のように見えるように表現した”というこの作品は、これやんのために描いていただいた最新作。大島さんらしい真っ赤な唇の少女を柔らかく、しなやかなタッチで描いています。人物に加えて自身でデザインしたという龍のキャラクター、伊万里焼の柄をモチーフにした着物の柄、空間を捉えたモチーフの配置など、随所にデザイン科らしいセンスを感じます。
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STORY

倉本:大島さんはデザイン科に通っていたようですが、作品として絵を描き始めたのはどんなきっかけでしたか?

大島:大学受験の試験で手のデッサンがあって、そのときに手の表情やシワが面白いと思って作品として描くようになりました。その頃は就職のことも考えていてデザイン科に入学しましたが、絵が描ける研究室があることを知り、そこの先輩が描く人物画に魅力されました。手の表情が面白いと感じるなら、それが顔でも同じかなと思い、女の子の人物画を描くようになりました。

倉本:大島さんの画風はどこか日本画的ですよね。

大島:和紙に描いてはいますが、基本的な画材は受験の頃から慣れ親しんだアクリルです。でも、ずっと岩絵の具に興味があって唇には岩絵の具を使っています。大学の研究室はどんな画材を使っても良いという気風だったんですよね。

倉本:唇がチャームポイントですが、その理由は?

大島:美人画というカテゴリーのなかで、どうしたら個性を出せるのかを考えるうちに、私は人物の美しさだけではなくて表情の面白さも表現するために、唇の色を強調しようと思いました。最初は水性インクとアクリル絵の具で頬や唇の赤みを表現していましたがどうもしっくりこなくて、もっと強さと質感を出すために、鮮やかで綺麗な岩絵の具を使うようになりました。

倉本:モチーフの女性にモデルはいますか?

大島:いえ、そういった人がいるわけではなく、自分の骨格をベースに描いているので……強いて言うなら自分です。でも自分よりも若くて、幼さが残る女性をイメージしています。

倉本:幼い子の魅力をどんなところに感じますか?

大島:表情ですね。大人の綺麗でサラっとした表情ではなくて子供らしいというか、顔に素直な性格が出る年齢の子のほうが描いていて楽しいんです。なので、髪の毛もできるだけ幼さが出るように柔らかさを表現するために細い筆で描いています。

倉本:大島さんの作品は幸せが制作テーマなんですよね。

大島:はい、実際に絵を飾っていただくときに、ポジティブでポップに伝わる作品がいいなと思っていて。幸せといっても、吉祥と呼ばれる図柄だったり、ご飯を食べる行為だったり、性善説的な幸せだったり、現実逃避のような人間の怠惰なところが幸せに感じたり…………この言葉を自分のなかでいろんな角度で捉えながら描いています。