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Figure of the KAIJU -marble #2

水口麟太郎Rintaro Mizuguchi

作品概要

制作年
2024年
素材
グルーガンアート、特殊コーティング、その他
サイズ
180mm(幅)×260mm(高さ)×200mm(奥行き)
販売価格¥110,000(税込み)
販売応募期間:2024年10月4日〜11月4日まで

これやんの作品コメント

グルーガンを用いてさまざまな造形を生み出すアーティストの水口麟太郎さん。こちらは日本の文化でもある怪獣をグルーガンでフィギュア化した作品。もともとグルーは立体を作る素材ではないため、細い線で作ってから太い線で重ねることで構造的な強度をもたせています。さまざまな色が折り重なり、少し溶けているような質感があるのもこの作品の特徴です。
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STORY

これやん:いつ頃からアーティストを目指したのですか?

水口:子供のときから工作が好きで漠然と芸術家になりたいと思っていました。僕の家はゲームが禁じられていたのですが、そのかわりにお父さんが作ってくれるおもちゃの完成度がすごく高かったんです。それで自分でもおもちゃを作るようになりました。そこから年を取るごとに芸術家ってどうやってなったらいいのか分からなくなり、高校の頃にプロダクト・デザインに興味を持ち始めて、美大でもその方面に進学しました。その後、フランスに留学する機会があって現地でデザインを学びました。

これやん:プロダクトデザインからアーティストになったのはどんな経緯ですか?

水口:フランスのことが大好きになったので、その後も日本とフランスを行ったり来たりしていました。そのときに“フランスで開催される美術展に出ないか”という話があって、面白そうだと思って参加を決めました。でも、当時の自分がやっていたのはプロダクトデザインだったので、美術作品を作ったことはありませんでした。どうしようと思っていたときに、ずっとスーツケースに入れてあったグルーガンを取り出して、これなら作品を作れるかもしれないと思ったんです。

これやん:いつもグルーガンを持ち歩いていたんですか?

水口:はい。固まるのが早くて接着面がでこぼこしていてもおかまいなしにくっつけられるから信頼していて、小学校の頃から肌身離さず持ち歩いていました。この素材で実験をするうちに、粘性があるから細かくて繊細な立体作品が作れそうだと思って、透明なグルーで花の造形を作ってみました。それをフランスの展示に出品したらありがたいことに作品が売れて、そこからアートの世界に入りました。2018年の頃ですね。そこからグルーガンで作る網のようなテクスチャーを追求するようになりました。

これやん:今回お持ちいただいたのは、グルーガンで作られたカラフルな立体作品ですね。

水口:グルーガンは接着剤なので基本は無色ですが、色付きのものを使って作っています。鉛筆くらいの太さのグルーを熱で溶かして使いますが、グルーを替えたときに前の残りが少し混ざって最初だけ色が変化します。それがマーブリングのような感じで面白くて、この状態を持続できないかと思って作風が生まれました。グルーを細かく切って装填して色の混ざりを表現していますが、重ねる色の順番によって変色の具合も変わるので、実験をしながら作っています。色付きのグルーは色だけでなくて樹脂の比率も変わるので剛性も変化します。なので各色で温度の耐性テストをしたり、長時間水に浸けたらどうなるのかも実験します。グルーガン素材は単体では弱いので、塗装や描き方などさまざまなテクニックを組み合わせて、強度も持たせた作品に仕上げています。

これやん:モチーフは怪獣や人体の一部ですね。

水口:グルーの網のようなテクスチャーを生かすという部分は最初から共通していますが、僕としてはおもちゃを作っている感覚があります。例えば、深い意味を持ったモチーフでもおもちゃになった途端に急に意味合いが軽くなるというか、相反性を表現するのが面白いです。もともとプロダクト・デザインを学んでいたので素材やテクスチャーを追求しながらも、塗装の質感でフィギュアっぽい感じに仕上げるのが、自分らしさなんだと思っています。