Die Another Day
作品概要
- 制作年
- 2019年
- エディション
- 22/30、23/30、24/30
- 使用素材
- ネオシルクスクリーン
- サイズ
- 444mm(幅)×605mm(高さ)
- 特筆事項
- エディション22〜24の3作品の販売。表示価格は1作品分となります。
これやんの作品コメント
STORY
倉本:サガキさんの作品は遠くから一見すると、誰もが知っている名画に見えますが、近くで見ると実はそれがまったく違うもので構成されているという作風ですが、絵画のモチーフはどうやって選んでいますか?
サガキ:モチーフは誰もが知っている絵画という基準で選びますね。作品を遠くで見たときと近くで見たときに感じる驚きを重視しているので、そのほうが人の価値観や先入観がガラっと変わる落差が大きいですから。
倉本:作品を近くで見るとものすごく細かいタッチで、いろんなものが描かれていますよね?
サガキ:細かく描いているのはいろんなキャラクターで、可愛いものからちょっとグロテスクなもの、セクシュアルなモチーフで構成していますね。可愛いものとか綺麗なものだけではなく、その対極にあるようなグロテスクなものも、両方詰め込むことで森羅万象感が出るというか、生と死とか宇宙観というものを表現しています。
倉本:その意味でも、サガキさんは曼荼羅からの影響が強かったようですね。
サガキ:はい。子供の頃、父親に連れられて曼荼羅を観に行ったんです。そのときは曼荼羅がどういうものか分かっていなかったのですが、大きな仏像から小さな仏像までがあって、しかも極色彩で。ビジュアル的に大きなショックを受けました。そのあたりが先ほど説明した画のコンセプトにもつながっています。あと細かい画というのは曼荼羅はもちろんですが、学生の授業中に教科書の空白に漫画のような落書きをするのが好きだったので、細かい画はその頃から好きでした。
倉本:それが今のスタイルへと結実していくのには、どんな過程がありましたか?
サガキ:最初は曼荼羅の構図を考えながら、自分のイラストのキャラクターで構成したりしていました。その頃は絵の具も使っていたのですが、思い付いたものを最短距離で表現できるツールである製図ペンのほうが扱いやすいなと感じるようになり、だんだんとモノクロへと移行していきました。この作風は15年前から続けています。
倉本:間近で見れば見るほどにカオスというか、いい意味でメチャクチャやんか。こんなにも統一感が無い描き方をできるのがスゴイと思うわ。
サガキ:同じキャラクターを並べて描いていく作家さんもいると思いますが、僕の場合はその場で思い付いたものを描いているので、グシャグシャになっています。でも、そうすることで有機的になるというか、目線も流動的にいろんなところに動かすことができると思うんですよね。