たこ焼き器型バッグ
作品概要
- 制作年
- 2019年
- 使用素材
- 布、フェルト、厚芯、ビーズ
- サイズ
- 400mm(幅)×300mm(高さ)×120mm(奥行き)
- 特筆事項
- ショルダーベルトは取り外し可能です)
※金串も布で出来ております♫
これやんの作品コメント
STORY
倉本:コヤマさんが作っているカバンはまず笑えるユーモアがあるけど実用的で、クオリティの高いアート作品になっていることに驚かされます。
コヤマ:よく“なぜカバンなの?”って聞かれます。荷物が入るカバンはいっぱいあると思うんですが、私が作るカバンは夢さえ入ればあとはいいかなあと(笑)。だってこれを持っていれば自分も楽しいし、すれ違う人も楽しませられますから。
倉本:作品を見て、触ってみると縫製も丁寧で見事な仕上がりです。この技術はどのように身につけたんですか?
コヤマ:ほとんどが独学です。子供の頃に住んでいたのが田舎で何もなかったので、なんでも自分で作って遊ぶのが当たり前でした。お母さんが裁縫をする人で、ミシンを踏んだりするのを見ながら自然とやり方が身につき、人形の服を自分で作ったりしていました。京都の短大に行くときにある程度美術は勉強しましたが、そこからはテキスタイルでずっと“織”とか“染め”を一通りやって……“やっぱりミシンやな”と。針と糸さえあったら何でもできてしまうっていうのは、やっぱりスゴイですよ。 それに小さい頃からミシンと布は当然のものとしてあったから、いろいろ遊んでいるうちに縫う内容がエスカレートしてきたのかな……その頃の昔の記憶が入り混じっているから、内容が昭和っぽいのかもしれません(笑)。
倉本:ありとあらゆるものをカバンにしてしまうけど、どうやって作るんですか?
コヤマ:まず頭の中で組み立てていき、“これなら開く”と思ったものを作ります(笑)。立体物というだけならもっと何でもできますが、カバンは開いて物を入れ、持ち歩けないとダメなんです。ですから、例えば買い物に行ったときも“開くか開かないか”で見てしまいますね。野菜はもちろん、オート三輪とか来ても“あれいけるな!”とか(笑)。
倉本:今回出品していただいた「たこ焼きバッグ」なんて、まさにタコ焼きを作ってる最中ですもんね。
コヤマ:たこ焼きって関西人には身近で欠かせないものなんです。つきあい始めのカップルって、緊張して恥ずかしいじゃないですか。そういうとき、ふたりの間にこのカバンを置くだけで何となく“あれ? なんか和んでる?”みたいな雰囲気になればいいなと、かなり妄想を働かせて作りました。創作しているときにストーリーが浮かぶんです。持ち歩いている人の雰囲気だったり、シーンだったり……楽しんでいる様子が浮びますね(笑)。
倉本:コヤマさんは“面白さ”をきっちりと形にできるすごい人なんですね。
コヤマ:そう言っていただけると嬉しいです。褒められたり感心してもらうよりも“あほやなー”って笑ってくださるのがこれ以上、何もないんじゃないかってくらいに感激します(笑)。