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あの時をつつむ物語/石にうつる

齋藤詩織

作品概要

制作年
2014年
使用素材
布、ペン、刺繍
サイズ
720mm(幅)×840mm(高さ)×50mm (奥行き)
販売価格¥216,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

在学中より「六本木アートナイト」に参加し、「Tokyo Midtown Award 2016アートコンペ」で受賞経験もある齋藤さん。そんな彼女の代表作ともいえる「その時を包む物語」の初期作品をこれやんで出品してもらいました。この作品は同シリーズでも最初期のもので、幼い頃に見た夢の感覚を表現しています。
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STORY

倉本:齋藤さんの作品は服に細密画を描き、そのなかにストーリーを込めていて、とてもインパクトがありますね。どういう経緯でこういった作品を作るようになったのですか?

齋藤:私は山形の東北芸術工科大学に行っていたのですが、そのときに実家を離れていまして。久しぶりに実家に帰ってみると、勝手に部屋が模様替えされていて、自分の部屋の痕跡がなくなったように感じました。その時にクローゼットの中の服が気になり、引きだしを開けてみたら高校の制服が残っていて。それで、自分も部屋も変わっていくのに、昔に着ていた服ってまるで時間が止まったかのように変わらなくて、それがまるで人間の抜け殻みたいに見えたことが……私にとってはすごく印象的で、これを作品にしたいなと思いました。

倉本:その抜け殻に絵を描いていったということなんやね。

齋藤: 私にとって一番昔の記憶がワンピースを着ていた時でした。でもそのときの服を使っているわけではなくて、わざと平面的に作った洋服に描いているので、実際には着られません。なぜならこの時に戻って着ることができないというイメージがあったからそうしています。

倉本:着られへんねや! そうか……なるほど、そういうコンセプトもあんねや。作品のモチーフはどういったテーマですか?

齋藤:私にとって小さい頃の記憶って悪夢や怖い経験が多かったので、最初は夢をテーマにしました。過去の記憶ってつじつまが合わなかったり雑然としているから、それって夢みたいなものだなと。そこからだんだんと、どこかで私が体験したことがあるような既視感などの感覚へと移っていきました。

倉本:布に直接ペンで描き込んでいるわけですが、難しさを感じたりはしますか?

齋藤:布に直接描いているので一度描いたものは消せないから、プラスの作業しかできないんですよね。最初のうちは少しずつプラスしていって完成させるということに難しさを感じていました。それとインクのにじみ具合やコツを掴むのにも時間がかかりました。

倉本:それでこんなに細密な質感が生まれるんや。どんなイメージを持って描いているんですか?

齋藤:描いているというよりも、その時の記憶を縫い合わせているというような感覚で一筆一筆描いています。痕跡を残すように、それを再現するように……そんな感覚でひとつずつアクションを起こしいき、それに対して次はこれかなっていう感じで描きすすめています。

倉本:なるほど! 記憶を縫い合わせているんや!

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