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11人の悪魔

水沢そらSora Mizusawa

作品概要

制作年
2018年
使用素材
紙、顔彩、水彩
サイズ
364mm(幅)×257mm(高さ)
販売価格¥110,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

本の装丁画から雑誌、絵本のフィールドで活躍中の大人気イラストレーター、水沢そらさんの作品がこれやんに初登場です! どこか西洋的で繊細な雰囲気に加えて、銅版画の手法を水沢さんならではの表現へと落とし込んだ作品は、描いた線と紙を切った線が交錯し、独特のコントラストを生みだしています。 
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STORY

倉本:水沢さんはイラストレーターとして幅広くご活躍されていますが、どういう風にここまで至ったのかを教えてください。

水沢:小さい頃から絵本作家になりたいと思っていたのですが、美術の専門学校に行くために都内に出てきました。でも、実際は学校を卒業してから20代はずっとフラフラと遊んでいて、30歳になる頃にふと“何しに東京に来たんだっけ?”ってこと思い返したら、絵本作家になりたかったんだと(笑)。その頃になってまた自分なりに絵を描き始めたのですが、誰に見せるわけでもなく……そんな時にイラストレーション塾の存在を知って通うようになりました。そこで教えていただいたことを自分なりに試行錯誤しながら制作を続けていったら、少しづつイラストレーションのコンペに入賞するようになっていったのですが、それと同時に、仕事の依頼もだんだんといただくようになりました。

倉本:水沢さんならではの表現やタッチに至った経緯は?

水沢:もともとはアクリル絵の具を使って普通に描いていました。いわゆるアクリル・ペインティングです。その時はベタ塗りに執着していたのですが、自分の技術が稚拙だったので、思うように塗ることができず、それならば背景はもともとある色を使って、切って貼ってみようと思いつき、段々と今の手法になっていきました。また以前から銅版画にも興味があったのですが、そもそも版画用のプレス機を持っていませんでしたし、工房に通ってプレス機を借りてまで銅版画をやるのは、きっと自分の性格的にも続かないなと思ったんです。で、そのときに自分は銅版画の何に惹かれているのかを整理して考えてみたら、それは銅版画特有の”線”の質感だと分かったので、紙を切ってそこにインクを流し込むという手法を考えつきました。

倉本:自分の性格をふまえながら、やれることをやっていったら自然とオリジナリティのある表現が生まれたわけですね。水沢さんの作品は良い意味で無国籍というか、日本的ではないテイストがありますね。

水沢:それを特に意識はしていないのですが、子供の頃にファミコンの代わりに絵本を与えられる家でしたから、今となってはその影響はとても大きいのかな、と思います。また、モチーフとして自分で描くのが好きなのは動物と女性ですが、それは描いた時の線が柔らかいからなんですよね。

倉本:髪の毛の表現にも特徴がありますが、ここにも銅版画の感覚が生かされているのですか?

水沢:そうですね。以前はもっと細かいところまで柄を描いて切って、それで線を出していましたが、それも段々と変わってきています。例えば、今度は逆に切って貼ってをしない作品も描いてみようかなと思ったり。もちろんこれまでの技法を辞めるわけではないのですけど。それに、半年前に念願の版画プレス機を手に入れて、いろいろと版画作品も制作しています。最近はさまざまな経験をすることで、自分がシンプルな方向性に立ち戻ってきているようにも感じています。