「ありがとう」は相手に対するリスペクト、愛情、信頼を込めた、人類にとって大切なキーワードだと思います。
猫をモチーフにしたのは、猫カフェで猫を膝の上で抱っこしたのがきっかけです。そのときに今まで経験したことがなかった、猫の理屈抜きの優しさ、可愛さが伝わってきて感動しました。猫が安心感を持ってくれたから、そんな可愛さが表に出てきたんでしょうね。
この作品では飼い主さんの愛情がブラッシングを通して伝わって、猫が体をくねらせて目線を飼い主さんの方に向けて「ありがとう」って言っている、というシーンです。ブラッシングのようなさりげない日常の積み重ねが、お互いの信頼や愛情を育んでいくんだよ、というメッセージをこの作品で伝えられたらいいなと思いました。
平面の簡単なパーツを使っていますが、見る人には立体的に動いて見えて、猫の存在を感じてもらえるはずです。単純な仕組みではありますが、造形の面白さを楽しんでほしい。あとはカラクリを見せるというのが、私が大事にしているオートマタのポイントです。