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金澤シュウSyu Kanesawa

作品概要

制作年
2019年
使用素材
磁器
サイズ
80mm(幅)×150mm(高さ)×100mm(奥行き)

倉本美津留のこれやんコメント

大規模な陶芸コンペ「第11回国際陶磁器展美濃」にて入選の経験もある金澤さん。彼の“コンタクター”シリーズのなかでも、今回は部屋に飾りやすいコンパクトなサイズの作品をお持ちいただきました。缶コーヒーなどの隣に置いても可愛く見えるものを意識して作ったというこちらの作品は、バーの酒瓶の形からイメージを膨らませて作られています。手が機械になっているのにも関わらず、Forgot(忘れるの意味)という名前が付けられているので、ちょっと鈍くさいロボットなのかもしれません。
SOLD OUT

STORY

倉本:金澤さんは以前に抽象的な陶芸作品を作っていたようですが、今回持ってきてもらったキャラクターの陶器になった経緯はどういったものでしたか?

金澤:最初に陶芸をはじめた頃はネコのようなものを作っていましたが、そのあとに入った学校は土の質感を重視する方針だったので、一時期は作品から顔がなくなりました。でも、学校を卒業してからは、やっぱり顔がここにあるはずなのにそれが付いていないのはなんだかなぁ……と思い、そこから今の原型となる形が見えてきました。

倉本:作品はイラストっぽい世界観がありますよね。

金澤:ボカロのイラストやアニメが好きで、もともと平面も好きでした。それもあって、周りからはなんで陶芸なの?って言われることもありましたが、僕は磁器や釉薬が生み出す綺麗な質感が好きなんです、見てて安心するというか。透明釉という何の変哲もない釉薬も使っていますし、ガラスっぽい水色の釉薬とかも好きですね。

倉本:このキャラクターの名前は?

金澤:コンタクターと言います。ガンダムでいうところのニュータイプのような、人間じゃないけど人間のように意思疎通ができる生命体のようなものです。

倉本:コンタクターっていうことは、接触したい思いがあるのですか?

金澤:そうですね。僕自身、あまり外に適応できるタイプではないから、こういうことをやっている感じもあって。

倉本:なるほど、自分の分身を作っている感覚があるんや……見た目も金澤さんに似ていますね?

金澤:それはけっこう言われます(笑)。

倉本:作品はどんな風に作っていくのですか?

金澤:そのときに気にかかっていることや心情的なものをスケッチして着想します。。例えばこの子(SOUND ONLY)だと、いつもぼんやりした中で生きている感覚を持っていて、外からの影響をあまり受けずに引きこもってるような……自分と近い感じですね。閉ざされてはいるけど、それはそれで楽しいっていう。作品の造形は自然物というよりは機械染みたイメージがあって、歯車とか観覧車とか……ごちゃごちゃまぜていかないと気が済まないんです。作品作りは基本的に足していく作業ですね。

倉本:作品を持ってみると、けっこうずっしりとした重さがありますね。

金澤:そうですね。でも、陶芸は穴を空けないといけなくて、そのための必然性がないとしっくりこないんです。自分にとっては穴が空いていることがすごく重要で……もし、作品が僕の分身だとすると、僕がこの世界にスッと入っていけるという意味が穴にあるのかなと思います。