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KEIZU

澁谷忠臣Tadaomi Shibuya

作品概要

制作年
2013年
使用素材
アクリル絵具、木製パネル
サイズ
380mmm(幅)×455mm(高さ)
特筆事項
日本の伝統文化を再構築するシリーズとして描いた作品。
販売価格¥187,000(税込み)

これやんの作品コメント

伊藤若冲の「鶏図」という日本画の古典的なモチーフを、澁谷さんならではの現代的な技巧で描いた一枚。彼のヒップホップ的な感覚が生む表現方法は人種や国境を超えたカッコ良さがありますが、鶏をテーマにすることで一見したときに、良い意味での違和感があります。こんな鶏がいるわけないけど、めちゃめちゃカッコイイ造形になっているという、インパクト抜群の作品です。
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STORY

倉本:こういった直線的な絵画表現はどのようにして生まれたのですか?

澁谷:もともと僕はヒップホップが好きなので、あの音楽を絵で表現するようなイメージを持っています。僕のアートは“再構築”をテーマにしていますが、ヒップホップがブレイクビーツなどのいろんな音楽を組み合わせて新しい音楽になるように、僕も自分で描いた文字や人物を組み合わせてみたら、ちょっと幾何学的な感じになったんです。それが面白いと思って追求していくなかで、今のようなスタイルになりました。以前はもっと真っ直ぐな線というか、90°と45°の直線だけを組み合わせていたのですが、角度を変えたり線の太さを変えることで、躍動感とかスピード感をもっと出せることに気がついて、どんどんと変化していきました。

倉本:なるほど、それが澁谷さんの絵にある立体感とかループ感に繋がっているんやね。グラフィティからの影響もありそうですね。

澁谷:実家が看板屋を営んでいたので、職人さんが下書きなしで綺麗な線を書いたりするのを見ていたので、その影響が大きいですね。立体感という意味では、美大で立体デザインを専攻していて、作家としての活動をはじめた頃は立体物を作ってました。でも、制作にコストもお金もかかるし、それよりも一番自分が慣れていた絵の具と平面を使って、見たことのない世界を描くというほうが可能性を感じたんですよね。

倉本:澁谷さんの作品をパソコンやスマホの画面で見ると、まるでデジタル処理されているようにも感じますが、作品を肉眼で見ると筆致や絵の具の厚みなど手書きで描かれている跡が見られ、人間の技術力でこんな絵が描けてしまうのかという、そのギャップに驚きます。

澁谷:逆に言えば、作品を間近で見てもらえるとちょっとヨレヨレしていることが分かってもらえるし、それが僕の技術力の限界っていう(笑)。作品のなかで絵の具を垂らしたような線を入れているのは、今おっしゃってもらったようなような、人間味を感じてもらいたいという意味合いもあります。

倉本:僕が澁谷さんの作品を初めてみたのはウルトラセブンの特別企画展「70 CREATORS’S SEVEN」でした。光の当たり方も含めて計算され尽くしているというか、ウルトラセブンのカッコ良さを見事に表現されていましたね。

澁谷:僕は世代的にも、特撮ものやロボットアニメの影響が強くて、ガンダムはもちろん「装甲騎兵ボトムズ」や「銀河漂流バイファム」が好きで、子供の頃はロボットの絵をずっと描いていました。それもあってウルトラセブンには思い入れもあって、とにかくセブンをカッコ良く描きたかったんです。まぁ、ぶっちゃけて言うと、ロボットの絵をずっと描いていたくて、現在に至っている部分もありますね。

倉本:なるほど。確かにモビルスーツの造形は直線的やし、そういう意味でも澁谷さんは新しいロボットたちを生みだしている感じですね。