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Maggot brain

澁谷忠臣Tadaomi Shibuya

作品概要

制作年
2016年
使用素材
アクリル絵具、木製パネル
サイズ
300 mmm(幅)× 300 mm(高さ)
特筆事項
画家以外で最も大きな影響を受けたアーティスト、P-FUNKのトリビュートアートショウ、The Mothership Returns To Tokyo / Parliament-Funkadelic Tribute Art Show にて展示。作品の中に日本語を織り交ぜることで、ファンクを継承し、日本で伝えるようなイメージを持って描いた作品。
販売価格¥143,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

澁谷さんの作品群のなかでも、黒人音楽のラインにあるこの作品は、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても有名なファンカデリックのアルバム・ジャケットをモチーフにした一枚。Pファンクという音楽を日本に広めたいということで、カタカナ文字を使っているのもいいし、何よりも絵の具の垂れが効いています! デジタルなテイストに“垂れ”というアナログ的な要素が入っているのが面白いですね。
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STORY

倉本:こういった直線的な絵画表現はどのようにして生まれたのですか?

澁谷:もともと僕はヒップホップが好きで、あの音楽を絵で表現するようなイメージを持ってます。僕のアートは“再構築”をテーマにしていますが、ヒップホップがブレイクビーツなどのいろんな音楽を組み合わせて新しい音楽になるように、僕も自分で描いた文字や人物を組み合わせてみたら、ちょっと幾何学的な感じになったんですよね。それが面白いと思って追求していくなかで、今のようなスタイルになりました。以前はもっと真っ直ぐな線というか、90°と45°の直線だけを組み合わせていたのですが、角度を変えたり線の太さを変えることで、躍動感とかスピード感をもっと出せることに気がついて、どんどんと変化していきました。

倉本:なるほど、それが澁谷さんの絵にある立体感とかループ感に繋がっているんやね。グラフィティからの影響もありそうですね。

澁谷:実家が看板屋を営んでいたので、職人さんが下書きなしで綺麗な線を書いたりするのを見ていたので、その影響が大きいですね。立体感という意味では、美大で立体デザインを専攻していて、作家としての活動をはじめた頃は立体物を作ってました。でも、制作にコストもお金もかかるし、それよりも一番自分が慣れていた絵の具と平面を使って、見たことのない世界を描くというほうが可能性を感じたんですよね。

倉本:澁谷さんの作品はパソコンやスマホの画面で見るとまるでデジタル処理されているようにも感じますが、作品を肉眼で見ると筆致や絵の具の厚みなど手書きで描かれている跡が見られ、人間の技術力でこんな絵が描けてしまうのかという、そのギャップに驚きます。

澁谷:逆に言えば、作品を間近で見てもらえるとちょっとヨレヨレしていることが分かってもらえるし、それが僕の技術力の限界っていう(笑)。作品のなかで絵の具を垂らしたような線を入れているのは、今おっしゃってもらったようなような、人間味を感じてもらいたいという意味合いもありますね。

倉本:澁谷さんの作品を初めてみたのはウルトラセブンの特別企画展「70 CREATORS’S SEVEN」でした。光の当たり方とかも計算され尽くしているというか、ウルトラセブンのカッコ良さを見事に表現されていて。

澁谷:僕は世代的にも特撮ものやロボットアニメの影響が強くて、ガンダムはもちろん「装甲騎兵ボトムズ」や「銀河漂流バイファム」が好きで、子供の頃はロボットの絵をずっと描いていました。それもあってウルトラセブンには思い入れもあって、とにかくセブンをカッコ良く描きたかったんです。まぁ、ぶっちゃけて言うと、ロボットの絵をずっと描いていたくて、現在に至っている部分もありますね。

倉本:なるほど。確かにモビルスーツの造形は直線的やし、そういう意味でも澁谷さんは新しいロボットたちを生みだしている感じですね。