PLUS_Knights of Round Table_gingham check
作品概要
- 制作年
- 2015年
- 使用素材
- シャツに刺繍
- サイズ
- 可変
これやんの作品コメント
既視感があるものに“ちょっとした何か”を加えることで、まったく違うものに見える。その意味でもこの作品はすごくキャッチーやね。しかも、題材がシャツで、よく見ると、彫刻的な視点もある。それでいてアート作品なのに服としても着れるものもあるし、所有者が作品に参加することもできるなんて、すごいやんか!
STORY
倉本:当たり前のものがちょっとしたことで違うものに見える作品って、僕はとても好きなんやけど、久村さんの作品はそういう意味でもすごくキャッチーで面白い。シャツでそんなことやっている人他に見たことがないし、最先端な表現なんやなって思ったね。
久村:最先端なんて畏れ多いですが、この作品シリーズを作り始めたのは、脱腸の手術をしたことがきっかけだったんですよ。彫刻家なのに重い物を持てなくなって途方に暮れていたときに、軽い素材で作れる彫刻作品って何だろうと思って、辿り着いたのがシャツを用いた表現方法でした。
倉本:今でも彫刻家としてこれを作っているというのが面白いし、しかもそれがシャツって、すごいところに辿り着いたよね。刺繍で彫刻してるってことやもんね。何でシャツだったの?
久村:高校生の頃からファッションに興味があった僕にとって、シャツは身近なものだったんですよね。そこら辺で手に入るし。それでラルフローレンのシャツの胸元にあるロゴは、騎馬像に見立てられないかという発想ですね。
倉本:ああ、それこそ、騎馬像は彫刻やもんね。
久村:そうなんです。そうしたら騎馬像にはまず台座が必要だと思って縫っていき、次に柵、植え込みと、騎馬像を中心とした周辺の環境を作っていって、フレームに収めて作品にしています。
倉本:自分が好きなことを作品にどんどん反映させていったら、普通なら出会わないものが出会って、唯一無二の新しいものが生まれたってことやね。
久村:心身ともに負担が無いのが良いですね。普通のシャツをいかに彫刻として仕立てられるかということを実践しているので、何を表わしているかとか、そういうことは特にないんですよね。ですからあれこれ構えずにまずは直感的に見てほしいです。