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アソウはブラックホール

吉田照美Terumi Yoshida

作品概要

制作年
2019年
使用素材
キャンバス、油彩
サイズ
455mm(幅)×550mm(高さ)
販売価格¥550,000(税込み)

これやんの作品コメント

ラジオDJとして活躍される吉田照美さんは、50歳を過ぎてから油画作家としての活動をスタートさせています。夢や春画などいろんなテーマで作品を描いている吉田さんに、今回は時事ネタのシリーズ“ニューズ油絵”をお持ちいただきました。「アソウはブラックホール」は老後に必要な二千万円も年金手帳も、ぜんぶ税金で吸い込まれていくというテーマで、吉田さんが怒りに満ちたときに表れるという、ダークな配色が印象的です。
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STORY

倉本:今回持ってきていただいたのは時事ネタを扱った作品群で、「宙船」などのイメージとはずいぶん異なりますね。

吉田:山藤章二さんの週刊朝日の「ブラック・アングル」が大好きで、風刺画を描きたい気持ちがずっとありました。今、風刺画という一般人の眼差しがだんだんと追いやられ、同調圧力に負けている感じがして。だからこそ続けていかないとだめだという思いが、ある時から強く芽生えました。誰が何を言ったって、何を描いたって、何を表現したっていいはずですから。

倉本:こないだ起こったことが、もう絵になっているというスピード感がありますね。

吉田:そうはいっても、やっぱり油絵は時間がかかるんですよね。線画なら思ったときに描いてスッと出せるけど、油絵は3週間くらいかかるので時差が生まれてしまいます。でも、油絵でニュース的な風刺をやっている人って、多分世界中にもいないと思うので、そこはオリジナリティだと思ってやっています。

倉本:3週間のタイムラグができても油画でやるっていうのは、すごいと思います。どの作品も面白い風刺ではあるのですが、さらに風刺画とはまた違うオリジナリティを感じます。

吉田:笑い飛ばせたらいいなっていうのがいちばんの主眼ですね。 力を持っている人をいろいろ笑い飛ばせるっていうのが、庶民のいちばんの楽しみだと思うんですよ。

倉本:それがアーティストの役目でもありますから。

吉田:そういうことをみんな遠慮するようになっちゃった時代っていうのが、今だと思うんですよ。日本人はその感覚を忘れてるんじゃないかって気がしていて。だから微力ながらにも続けているわけです。それに意地悪に笑ってやろうって気持ちもあるわけですよね。

倉本:ある意味、目線はバンクシーとも一緒ですけど、油絵で丁寧に描いているっていうのがすごいですよ。

吉田:世間で起こっている出来事を振り返る材料になれば、ありがたいかなと思います。新聞・テレビが今はちゃんと仕事していないから、このままだといずれ信頼を失うことになると思うんで、早く改めていただけたらという願いを込めながら、描いています。ツイッターでも閲覧できなくなるような作品もあったりしますが……。

倉本:「これやん」はそういうことは何もないですから、スッと見られると思います!