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月に鐘楼

藤田朋一Tomoichi Fujita

作品概要

制作年
2016年
使用素材
木材、木組み
サイズ
255mm(幅)×230mm(高さ)×255mm(奥行き)
特筆事項
展示用アクリルケースが必要であれば別途製作します
販売価格¥198,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

神社仏閣の造形を用いながらも、宇宙や軍艦といったモチーフを組み合わせ、個性的な立体作品を生み出すアーティスト、藤田朋一さん。「月に鐘楼」は藤田さんの代名詞とも言える細い木材を格子組みして作られた繊細な作品。特徴的な建造物の脚はアポロ11号をイメージしたもので、独特のミクスチャー感覚に溢れています。
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STORY

倉本:木材を使った立体作品を作るようになった経緯はどういったものでしたか?

藤田:もともとは家具を作る学校に通っていたのですが、その頃から作品を作りたい気持ちがありました。家具だと制約というか、表現よりもデザインや使うための強度が重視されますが、そこに面白味をあまり感じられなくて。もっと自由に作りたいなということでアート作品を作るようになりました。

倉本:神社仏閣を細い木を用いて模型的に見せていますね。

藤田:はい、“格子組み”という、僕が7年間住んでいた飛騨高山で学んだ技術のひとつです。左甚五郎が作った格子窓とかの格子組みの技術を、もっと細くして立体的にしてみようというのが最初の発想でした。格子組みだけで造形が作れたら面白いし、ずっと反復して組んでいく作業も自分にとって心地よかったです。

倉本:使っている木材はかなり細いですし、すべてが同じ厚さで組まれているようにも見えます。

藤田:基本的には3mm角の木材をベースに組んでいます。なぜ3mm角かというのは、木工機械の話になるのですが、“相欠き”という技術で組んでいて、相欠きの一つを3mmにして溝を掘っています。極端に細くもしたかったのですが、この木材でもつ強度の最低が3mmなので、それに落ち着いていますね。

倉本:神社仏閣が織り混ざった造形だったり、今回お持ちいただいたアクリル素材の新作のようにアポロ11号や宇宙ステーション的なテイストも入っているのも藤田さんの作品の特徴ですね。

藤田:僕は廃仏毀釈以前の神社と仏閣が分かれずに集合していた時代に面白さがあると思っていて、それらの多くが破壊されたことへの悲哀の気持ちが作品にも表れていると思います。もうひとつ僕の作品では戦争がテーマでもあり、戦艦大和の艦橋の形に、神社とお寺をミックスしたりもしています。賛否両論はあると思いますが、大和の艦橋は国家事業で建てた崇高な建物のようでもあり、僕にはそれが神社的なイメージを想起させるんですよね。アポロに関しても冷戦時代の中での宇宙というテーマをモチーフにしています。宇宙という当時の人類にとって未来を感じるものと、それが冷戦時代の産物でもあるという、真逆な意味合いを持つものを作品に盛り込みたいと思っています。