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2匹のオオカミ

村井陽子Yoko Murai

作品概要

制作年
2021年
素材
磁土
サイズ
150mm(幅)×150mm(高さ)×150mm(奥行き)

これやんの作品コメント

ほのぼのした動物のキャラクターを表現する陶芸作家、村井陽子さん。この作品は家族単位で助け合って生きるオオカミたちをテーマにしています。映像で2頭のオオカミが首を暖めているように見えたのがきっかけで作ったとのこと。生き生きとした表現されたオオカミの造形が印象的な作品です。
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STORY

倉本:陶芸を始めたきっかけは何でしたか?

村井:もともと絵を描くのが大好きでしたが、美術大学で専門的に勉強するよりも、一般教養も勉強した方が就職しやすいかと思い、愛知教育大学の造形コースに入りました。科目はガラスと陶芸と織と金工があったんですが、私は素早い作業が苦手なのでガラスと金工はダメで、織は完成が遅すぎるからむいていないと思い、いちばん自分に合っていそうな陶芸を選びました。絵画の授業ではおもに動物を描いていました。動物が好きなのでいつも動物園に通っています(笑)。

倉本:村井さんの描かれている画を見ると陶芸作品に似ていますね。なので、絵が立体になったような印象を受けます。

村井:私の陶芸作品は彫刻をやっている人のように形の追求はしていないのですが、色を塗ることで形が引き締まるのかなと思っています。絵画と立体の中間みたいな感じですね。今は陶芸が本業で、絵は夜中に時間があれば描く程度です。

倉本:画で描いているものを陶芸作品として表現しようと思ったのは、なにかきっかけがあったのですか?

村井:最初は器づくりをしていたのですが、同じ形をたくさん作る作業に向いていなくて、精神的にも無理をしないとできなかったんです。それで楽しく作れるものはないかなと思い、動物を作るようになりました。でも、いろいろあって、この表現に至るまでに10年くらいかかりました。

倉本:粘土を手びねりしているんですか?

村井:はい、そうです。イメージはみなさんが子供のときに恐竜とかを作ったりした方法と同じです。素材は白い器に使われている磁土です。好きなように手で形を作って、乾かして、白地に塗って、その上に絵の具で色を塗って、器と同じように焼いていきます。

倉本:何種類、何匹もの動物が仲良く一緒に絡まっていますが、こういったモチーフはどのようにして生まれたのですか。

村井:動物園に行って動物を見ながらいろいろと想像するんですよ。例えば、ナマケモノがキリンの首にぶら下がったらどうだろうとか。私の作品みたいにオオカミとリスが一緒にいるなんて普通ではありえないことですよね。コロナの影響もあるのかもしれないけど、最近は世の中の人間関係がギスギスしているから、動物をモチーフにした作品でも、平和なイメージがいいのかなと思っています。私のこのぼんやりしたフィルターを通すと“なんかちょっと平和な感じに見えてるんだよ”っていうのが、少しでも伝わるといいなあと思っています。