「おすそわけ」というテーマをいただいたとき、正直けっこう困ったんですが、パッと思い浮かんだんです。自分のこれまで作ってきた作品や経験則を「おすそわけ」するというコンセプトで行こうと。
ずっと丸シールを明かりに置き換えて表現を続けていましたが、それ以外の表現の仕方を模索したいと思っていて、素材としてのシールの可能性を追求しつつ、絵の具とかペンを組み合わせました。シールだったものが抽象絵画の一表現としてシールっぽくなく表現できたら、 と思ってやってみました。
作品を見て、筆の動きとシールの羅列の差異みたいなものを楽しんでもらえたらな、と思っています。有機的な線の動きと、シールをただ均等に並べているところと、それぞれの組み合わせがあってそれぞれに違う。私がどんなふうにシールを貼ったり、線を描いたりしているかの動きを追いかけるような感じに捉えて、「自分が描いたらどうなるだろう？」という見方をしてもらえたら、すごく嬉しいなと思います。