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肖像画

平井豊果Yutaka Hirai

作品概要

制作年
2017年
使用素材
アクリルガッシュ、画用紙
サイズ
297mm(幅)×420mm(高さ)
販売価格¥66,000(税込み)

これやんの作品コメント

これは平井さんの代表的なコンセプトに基づいた作品で、誰か分からない女性の脳内を思いっきり前面に出す感覚がすごく面白い。頭のなかに垂れこめているイメージも滲んでいて実に抽象的なんやけど、そこに魅力があるとも言えます。そんな平井さんの独特の感覚が、出会えないものを出会わせてしまっていて、新鮮な違和感を生みだしています。
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STORY

倉本:平井さんの作品は昨年はじめて見させてもらい、すごく感覚に訴えかけられる感じがあったので声をかけさせてもらいました。絵は独自にはじめられたそうですね。

平井:はい、小さい頃から絵は描いていましたし、昔からいろんなところに芸術作品を見に行くのが好きでした。現代美術からイラスト、デザインとジャンルは関係なく、そこからいいなと思うものを独自にインプットしていました。

倉本:それで2013年くらいからは毎日作品を描き続けているという。

平井:一時は企業に勤めてグラフィックの仕事をやっていたのですが、やっぱり自分は社会不適合者だなと。で、アーティストとしてやっていくのなら、絵が上手い人なんて山ほどいるし、描いている人も腐るほどいるので、人よりやらないとなって。毎日、描くようになりましたね。それこそ苦行のようにですが(笑)。

倉本:いろんなジャンルから影響を受けているようですが、もっとも影響を受けたのは誰ですか?

平井:10代の頃にもっとも衝撃を受けたのはヒロ杉山さんですね。ヒロさんが“竹屋すごろく”っていう別名義で、「ザ・チョイス大賞展」に出していたあたりとかです。ヒロさんや伊藤桂司さんのようにデザイナーなんだけどアートもやるっていうのが理想ではありました。僕もそうしたかったんですけど、挫折して、絵だけになりました。あと、絵のインパクトだと、五木田智さんがイラストレーション誌の表紙を飾った号は衝撃的でした。

倉本:その後の絵のスタイルを確立していくうえで、どんな経緯がありましたか?

平井:ちょくちょく絵柄が変わるので、“これだ!っていう画風はあまりないです。最初はイラストレーションという作風で、写真をただ模写していたのですが、だんだんとそういう絵を描くのに飽きてきて。大きなコンペに出したくて、ちょっと変わったものを出そうって思ってコラージュをしてみたら、“あ、これだ”って。で、そのときに大賞がもらえたので、そこからこのシリーズが生まれました。

倉本:それが青味がかった、限られた色使いの作品ですよね。モチーフはどうやって決めているんですか?

平井: そう、“真夜中”シリーズです。これはPinterestで建物とか、人とか、モチーフをストックしておき、人物を描いてからいろんな物を描き足していきます。あと、つまらなくなっちゃうから、下書きは一切しません。そのせいもあってボツの作品も山ほどありますが、それらの絵の断片をコラージュして新しい作品を作ったりもします。

倉本:なるほど、自分の作品のコラージュってことはコラージュ・オン・コラージュってことになりますね。普通なら世の中のいろんなものを切り取るんだけど、平井さんはたぶん、自分の脳内のコラージュを絵として描くこともできてしまうんやね。それが夢を見ているような絵風になっているというか。

平井: そうですね……相反するものを入れて、違和感みたいなものを出したいとは思っています。抽象と具象とか、可愛いと怖いを頭のなかでミックスさせて……でも、自分でもよく分かっていないというか、言葉ではうまく説明できなくて、本当に直感的に描く、ただそれだけなんです。でも、夢みたいな感じの絵というのは、確かにそうだと思います。