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cool it(xs)aloha

内田有Yu Uchida

作品概要

制作年
2020年
使用素材
ガラス、ミクストメディア
サイズ
168mm(幅)×228mm(高さ)×74mm(奥行き)
特筆事項
展示方法は壁掛け/台置き どちらも可能となります。

倉本美津留のこれやんコメント

シロクマをモチーフにしたキャラクターに環境問題や大量消費といった現代社会へのメッセージを込め、ポップ・アート的な作品を生み出す作家として人気の内田有さん。その代表的な「cool it」のなかでも、こちらは以前に出品していただいた“アロハ”のバリエーション違い。ヴィンテージのレアなアロハシャツをモチーフにした柄を、シロクマに着せています。
SOLD OUT

STORY

倉本:内田さんが作っているポップな立体物はどんな素材で出来ているのですか?

内田:型にガラスを溶かして作っています。

倉本:ガラスなんや! どういう経緯でこういうものを作るようになったんですか?

内田:小さい頃から立体を作ることが好きで、型に金属を流し込んで作る鋳金を学び、壺や彫刻を作ったりしていました。ただ、最終的な表面が青錆や茶色になってしまうのが、もともとポップアートが好きだった自分としては、ちょっと地味だなと感じていました。その点、ガラスはカラフルな色を扱うことができたので、これまで培った鋳金の技術を組み合わせた“型ガラス”をやろうと思って、大学院でガラス科を専攻しました。原型を粘土で作って型を作り、型にガラスの粒を詰めて焼くのですが、そこでアイスキャンディーを作りました。

倉本:なぜアイスキャンディーだったのですか?

内田:型ガラスを型から出した見た目って、アイスキャンディーにそっくりなんです。だからそれを作ったら面白いんじゃないかなって。

倉本:そのまんまなんや(笑)。アイスキャンディーに見えるけど、実はそうではないものなんですね。

内田:“溶けなくて飾れるアイスキャンディー”は面白いなと思いました。大学院の頃に交換留学制度でイギリスに留学していましたが、日本の大学が技術を追求していたのに対して、イギリスはコンセプトを重要視していて“なぜそれを作るのか?”をすごく問われて。自分が作る作品をいかにコンセプチュアルにするかを考えたときに、アイスが溶けるというのと、シロクマが温暖化で絶滅しつつあるという問題、さらにキャラクタービジネスの大量消費をかけ合わせたら、分かりやすくメッセージ性も出てくるなと。

倉本:それでシロクマのアイスが生まれたわけですね。

内田:アイスの形をしていますが、ちょっと熱で溶けているんです。可愛さのなかに“絶滅しつつある”という意味合いを込めています。“Cool It”というシリーズなのですが、“冷やせ”という意味以外にも“アタマを冷やせ”とか“もうたくさんだ!”という意味もあります。それで、夏のバカンスを満喫していたり、シャツを着ていたりと、シロクマのいろんなバリエーションを作っています。