「おもてなし」という言葉から“お客様を迎え入れる”という気持ちが最初に浮かび、それで私が作れるものを考えたら、暖簾にたどりつきました。学生の頃に染色の勉強をしていて、お祝い物として作られる暖簾を知り、お正月にめでたい模様を施した暖簾をかけて親族をもてなす風習に感動したことを思い出して、そういうものを作ってみようと思いました。私のなかでは「おもてなし」は“お祝いごと”にもつながっています。
お祝い物の暖簾はもっと煌びやかなものが多いですが、シンプルにしてみました。“力強く生きてほしい”という気持ちを込め、燃えさかるような色合いで、最近の私がよく表現するテーマの“生命の樹”を描きました。山のなかに蛇を描いているので、見つけてみてほしいです。