「おだやか」と聞いて、“カタチにするのが難しいな”と思いました。まず、自分がおだやかな気分になるときを想像しました。普段忙しくなったときは、近所の公園を散歩して緑に触れると少しほっとする気持ちになるので、絵には何かしら緑を入れようと思いました。猫を描いたのは日光東照宮の「眠り猫」のイメージです。眠り猫の裏側には竹林で遊ぶ雀が彫られていますが、猫が寝ているから雀は「おだやか」に遊べるという意味があり、そんなイメージを作品で表現しました。私の作品の猫は寝ていませんが、起きていても小鳥と争わずに共存できる「おだやか」な世界を想像して描きました。作品を見て平和な気持ちになってもらえたらうれしいです。