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展示レポート-Vol.1-

新しくはじまった編集部だより。このコーナーでは編集部が訪れた参加アーティストの展示の様子を中心にお伝えしていきます。今回は10月中に開催された3名のアーティストによる個展をピックアップしました。

視覚の正しさに訴えかける“体験型展示”

 

大理石を用いて、見る人の感覚を揺さぶるユニークな作品を創作する浅香弘能先生。10月18日より靖山画廊にて開催された個展「The truth of illusions」にお邪魔しました。これやんの特集記事でも紹介したKASHOUMONシリーズの作品が展示されていました。

このシリーズは発砲スチロールを大理石で精密に表現することで“視覚の正しさ”に訴えかけるというもの。展示スペースには“本物の”発砲スチロールとそれを模した大理石の作品が混在して設置されていて、自由に触ることができました。発砲スチロールかと思って触れてみたら、ズシッとした手応えを感じて驚いたり、豆粒ほどの小さい作品だとどちらの素材なのかまったく判断ができませんでした。改めて自分の視覚や触覚の認知力について考えさせられる、興味深い体験ができました。

魚屋さんにおいてある発砲スチロールの箱がモチーフになっているのは、普段から浅香先生は市場で魚を購入するため「僕にとっては生活のなかにあるリアルな風景です」とのこと。ほかにも仏師の円空をモチーフにした作品や北米民族の石組み“イヌクシュク”から着想した新作品もあり、KASHOUMONシリーズの進化を感じる展示でした。

浅香先生のこれやん取り扱い作品はコチラ

 

「浅香弘能 -The truth of illusions-」
会場:靖山画廊 (東京・銀座)
会期:2024年10月18日〜10月29日


紙の性質を再現した折り鶴の彫刻作品

 

伝承折り紙を彫刻作品で表現する白谷琢磨先生の個展「-祷鶴-」がSEIZAN GALLERY TOKYO凸にて10月18日より開催されました。この場所は作家渾身の作品を1点展示するコンセプトのスペースで、白谷先生にとって特別なモチーフである折り鶴の作品が飾られていました。

折り紙のサイズを超えた大きさで作られていて、紙を折る直線的な表現に加えて紙素材の柔らかさを感じるようなわずかな膨らみも表現され、大胆かつ緻密な表現が印象に残りました。「存在感をもっと出して、動いているように見える作品を作りたい」と言う白谷先生。これからもっと大きな作品を制作する予定もあるとのことで、今後の展示にも期待が膨らみました。

白谷先生のこれやん取り扱い作品はコチラ

 

「白谷琢磨-祷鶴-」
会場:SEIZAN GALLERY TOKYO凸 (東京・銀座)
会期:2024年10月18日〜10月29日


愛を感じる日常の風景

 

イラストレーターとして多方面で活躍する北沢夕芸先生の個展にお邪魔しました。個展のタイトルは「art of loving」で、哲学者エーリッヒ・フロムの著書『愛するということ』からヒントを得て、愛することについて思いを巡らせて制作した作品が展示されていました。日常の生活を切り取った静物画や、ありふれた家族の風景、北沢さんらしいユーモアのある人物画などをポップな色使いで表現していました。愛する人や動物と暮らすという、何気なくもかけがいのない雰囲気が伝わってくる展示でした。

 

 

北沢先生のこれやん取り扱い作品はコチラ

 

「art of loving」
会場;スペースユイ
会期:2024年10月21日(月)〜26日(木)

 

文:これやん編集部(取材日:2024年10月19日)

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